ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

異常な食欲

病的に異常な食欲をおこす病気があります。甲状腺機能亢進症(犬はまれ、高齢の猫に多い)、クッシング症候群(犬、シーズーに多い)、糖尿病、膵外分泌不全(食べてもやせてきます。犬に多い)脳の問題(視床下部の満腹中枢の傷害)、精神的問題などが原因にあります。高齢の猫ちゃんで、ガツガツ食べるのに、やせてくる、軟便、眼がランラン光って、怒りっぽくなる、などの症状があれば、甲状腺機能亢進症の検査をしたほうがよいでしょう。血液検査でわかります。この病気が進むと、高血圧になって、眼圧が高くなり失明したり、腎臓が悪くなります。
犬さんで、多飲多尿、異常な食欲、腹囲膨満(タイコ腹)、皮膚が薄くなる、脱毛、面砲、石灰化、でかい膿皮症などの皮膚症状をおこす場合、クッシング症候群という内分泌異常の病気があります。
最近、クッシング症候群のための動物用薬(トリロスタン/副腎皮質合成阻害薬)が発売されましたので、治療しやすくなりました。しかし、安易な投与は、食欲を減退させ、アジソン(逆の病気)や突然死を招くこともありますので、慎重な投与が必要といわれています。あるセミナーで、アメリカ人講師は、アメリカではこの病気にかかると、安楽死(多尿であるため、飼い主負担が大きいから)か、治療しないなどど話しておりました。これは極端で賛否両論があろうかと思いますが、いずれにしても、管理が難しい病気です。
犬種によっては(ビーグル、ラブ、シュナウザー、キャバリアなど。みながそういうわけではないです)、いつも食欲旺盛で元気なワンコもいますので、すべてが病気とは限りません。