ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

抗がん剤治療の副作用

がんになったら、
まずは、根治治療をめざして、腫瘍を手術で切除するのが第一選択肢ですよね

でも、
リンパ腫とか、、組織球肉腫とか、白血病、多発性骨髄腫など、化学療法に感受性の高い全身性腫瘍の場合は、化学療法を選択することが多いです。

さてさて、化学療法の目的は
細胞分裂の激しい腫瘍細胞を死滅させるのですが、
一度にやっつけることができるわけではなく、
週一回とか、あるいは3週間に一回とかの間隔で化学療法をします。
つまり、腫瘍細胞を死滅させるののですが、やっぱり、生き残ってしまう腫瘍細胞が残っているので、また、それをやっつけて、腫瘍細胞が増殖しないように戦っていくってことです。
となると、化学療法の間隔をつめていったほうが、腫瘍細胞の増殖を効果的に減少させることができるということになります。
薬剤により、効果を示す細胞分裂の周期が異なるので、異なる作用機序をもつ複数の薬剤を併用して、腫瘍細胞を攻撃するほうが、より効果が高いといわれています。

細胞に対する毒性をもつ代謝拮抗剤やビンカアルカロイド、DNAの代謝合成経路の阻害、腫瘍細胞の血管新生を邪魔する兵糧攻め、などなど

でも、がん細胞だけ、やっつけてくれるのならいいのですが、一般的な抗がん剤は増殖の活発な細胞にも作用してしまいます。だから、骨髄や毛、消化管粘膜上皮も、ダメージをうけてしまうので、副作用がでてしまうのです。

抗がん剤をばんばん使って、にっくっきガン細胞をやっつけたいところですが、副作用がでてしまうので、
そういうわけにはいかないのが、悩ましいところですよね

抗がん剤の主な副作用

1)骨髄毒性
 好中球の寿命(末梢血液)は4-8時間
 血小板が4-6日
 赤血球が80-120日
なので、抗がん剤をうつと、ライフサイクルの短い好中球が減少します。
好中球が減少しすぎると(500/μℓ以下)感染症の危険性が増大し、100/μℓ以下は敗血症の危険性が高まります。
抗がん剤治療をしたあと、発熱して、ぐったりするなどのことがあったら、敗血症に進行するかもしれないので、注意が必要です。
血小板減少症、貧血

2)消化管毒性
 腸の粘膜もライフサイクルの速い細胞なので、抗がん剤のダメージをうけやすいです。
 抗がん剤による嘔吐は投与24時間以内ででます。
下痢が続くと、体力が消耗し、腸内細菌が増え、敗血症に進むこともあります。
早急な対処が必要です。


アンデイくんの追悼に、たくさんのお花をいただきました。
この場を借りて、御礼申し上げます。
アンデイくんの犬徳かも???

お骨のはいった位牌もつくりました。ちょっと、おしゃれでしょーー