赤血球増加症
赤血球が少ないと貧血で命にかかわります。
これは、よく御存じのことだと思います。
これとは、逆に赤血球増加症という病気もあります。
多いほうがいいじゃないって思われると思いますが、
なんでもそうですが、過ぎたるは及ばざるがごとしということで、、、
これは、
血液の細胞数が増加して、血液の粘調度が増加し、いろんな臨床徴候がでて、ときには重篤な症状になる、命にかかわる病気です。
臨床徴候は
貧血だと血液がサラサラ、いかにも薄くなりますが、
多血症になると、血液がドロドロ、念調度が増すため、
血流がうっ滞します。
すると、
眼や皮膚、口の中が赤くなる
眼瞼結膜や、眼球内血管、口腔粘膜,
皮膚の毛細血管などが充血する
高血圧に伴う心臓肥大
脾臓腫大
肝臓腫大
腎臓障害
視力障害
神経症状
高ヒスタミン血症(血液中の好塩基球や肥満細胞が増えるから)
皮膚が赤くなり、痒がる、じんましん
消化器症状
嘔吐、悪心、消化器潰瘍
血小板の機能亢進、機能異常
出血しやすくなる、血栓をつくる
原因は
・心臓や肺の病気があって、
持続的な全身的低酸素症があるため、体が増血しようとがんばってしまう(内因性エリスロポエチン産生の亢進)
結果、赤血球が多くなる
(動脈血酸素分圧を調べる)
・エリスロポエチン(腎臓でつくられる、造血ホルモン)産生を異常に亢進させる、サイトカインやホルモン異常
・骨髄異形成症
・真正赤血球増加症
体が脱水(腹水がたまっている、全身状態悪化、腎臓が悪くなって多尿になっている、体液の喪失)して相対的に赤血球がふえてしまっている場合もあります。
この病気がどうかの診断は
心臓や肺に問題がないか
動脈血酸素分圧を調べたり
血液中のエリスロポエチンの濃度を調べたり
内分泌疾患やエリスロポエチン産生腫瘍があるか、
骨髄検査
CT検査
中枢神経系の精査(MRI)などなど、
かなり、血液の専門の分野での診断になりますね。
犬猫さんにも、いろんな病気にかかる可能性がありますね、、だから、専門病院や大学病院があり、日々、獣医療も進化しています。
「猫も癌になるんですか?」というご質問をうけることがあります。生き物ですから、もちろん、病気と無縁というわけにはいきませんよね。