ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

変形性関節症と痛みどめ

ワンチャン、ネコちゃんにも変形性関節症という関節痛の病気があります。肘や股関節、膝といった関節が変形や炎症を起こして、痛みのため、びっこをひいたり、歩きたがらないという症状がおこります。
ひとごとなんで、動物の痛みを直接感じることはできにくいので、ついつい、動物の痛みの管理というところが、おろそかになってしまいがちですが、、実は痛みがさらに症状を悪化させて、悪循環を起こしています。末梢性の痛みは脳の中枢神経にシグナルを送って、中枢神経を感作し、さらに痛みが増幅され、患部の炎症を悪化させます。そして、痛みのために運動しなくなりますので、患部のまわりを支える筋肉が衰えてしまいます。で、関節が不安定化し、さらに患部を悪化させるという悪循環をひきおこします。
ここで、動物用に様々な非ステロイド鎮痛薬があります。この非ステロイド鎮痛薬を早期に動物に与えることによって、関節炎の進行を抑える効果があるといわれています。痛みを抑えることによって、運動能力が向上し、筋肉が増えて、まわりを支えて関節が安定化します。そして、この薬は痛みによる中枢神経の感作を減らすことによって、炎症も抑えてくれます。
このような理由から、変形性関節症の進行を抑えるためにも、早くから痛みのコントロールをしてあげることが大事のようです。
副作用が御心配の方が多いと思いますが、副作用の大半は2-4週間以内に発症するといわれておりますので、高齢のワンコさんや猫さんは、モニタリングをしっかりすることが大切です。ただし、肝臓機能が低下している場合は(肝臓の酵素の数値が上昇しているという意味ではなく)慎重投与が必要になります。