ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

心肺停止の蘇生率

先日はアメリカの大学の動物のERの先生のセミナーでした。

アメリカって大学に動物のERがあるなんて、素晴らしいですよね。日本の大学は完全予約制ですので、残念ながら、ERがないし、緊急治療なんて受け入れ態勢になっていません。
そこでのハナシ

心肺停止になって、蘇生術を施して
自己心拍再開は  58%

自己心拍再開が20分続いて、やっぱりだめだったのが
32%

自己心拍再開が24時間続いて、やっぱり、だめだったのが
10%

自己心拍再開して、無事に退院できたのが、
5%

うーん、やっぱり、エマったら、5%しか生存できないのでしょうか。
ただ、この数字には、自然死以外にも、アメリカなので、安楽死も含まれています
もちろん、むやみに安楽死したわけではなく、予後不良だから、安楽死したのであって、
やっぱり、心肺停止したら、
もう、無理なのかな、、という数字でした。

心肺停止したときの蘇生術
テレビでよくみるあの、パターン

まずは胸部圧迫2分間 1名(1分間に120回。かなりの体力消耗)
その間に、挿管して気道を確保して、酸素吸入 1名
その間に留置して、アトロピンやエピネフリンを投与1名
その間に血液検査をする人  1名
つまり、最低4名の獣医師が必要なんですよね、、、
チームワークでないと、十分な蘇生術を試みることができないのです。

そして、
心室細動になったら、除細動器(AED)
(心臓停止していたら、意味がない)
すぐに、胸部圧迫

それでも、だめだったら、開胸CPR(胸をあけて、直接心臓マッサージ)(かなり、レアだそうです、そのあとのケアがたいへんだし)

放射線治療の麻酔で死んだ、アンデイくんを思い出します、
麻酔の覚醒時が一番、危険なのです、、、
最後に、顎だけ動かす呼吸、、、
これは死戦期呼吸といって、意識がなくて、口だけあける最後の姿、、呼吸しているわけではないのです、