ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

頸部ヘルニア

椎間板ヘルニア、腰だけではありません
首のヘルニアもあります。


1)なりやすい犬種
 ミニチュアダックスフンド
 フレブル
 ペキニーズ
 ビーグル
 ヨーキー
 ミニピン

2)発症年齢
 4-10歳程度の中年齢以降
 フレブルやペキニーズは若くてもなります
 ビーグルは10歳以上
 ミニチュアダックスは、若くても、老齢になっても、まんべんなく発生するといわれています
オスのほうがなりやすいかも

3)症状
 首を痛がる
 首のところをさわるとキャンと鳴く
 首だけではなく、下半身から抱き上げるときでも鳴きます
 頭をさげて、上目づかいになっている
 イヌなのに、猫背になっている(頭をさげて、腰をまげたような背湾姿勢)
 頭をさげて、小さい歩幅でトボトボ歩く
 突然たちどまって、流涎(よだれ)
 部屋の隅で動かなくなる
 首のあたりの皮膚がピクピク動く
 ふらつく
 片側の前足をあげる、ひきずる

 
4)麻痺
 最初は首だけ痛がって、ふらついていただけなのに、
症状が進むと前足、後ろ足にも麻痺がすすんでいく可能性があります。
腰の椎間板ヘルニアとちがって、排尿排便不全は生じない(
そこまで重症だと、呼吸筋の神経支配まで損傷するから、早期に死亡するため)

5)予後
 最悪のシナリオは、呼吸筋の神経支配まで損傷され、早期に死亡します
 そうなる前に手術をしないといけません

6)治療
 頸部を痛がる病気には、脳の病気もあります
 (脊髄空洞症など)
 片方の前足だけひきずるようなときは、関節の病気の可能性もあります
 確定診断をするには、MRIやCT造影検査をして、早急な手術が望ましいです