ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

耳血腫とインターフェロン療法

耳を掻きすぎて、あるいは、免疫的な問題で
耳に血がたまってしまい、耳が膨らむ病気に
耳血腫というのがあります。

1)原因は、
原因は
免役的なものの関与ですが、
基礎疾患に外耳炎があります。

耳介(耳たぶのこと)の自己免疫機序が原因でおきる、内因性のものではないかと考えらえれています。
耳の中の血管が掻きすぎてこわれるのではなく、

耳の軟骨が、変性して、耳介軟骨の中に血液がたまるということです。

2)おこりやすい犬種は

ゴールデンリトリバー
ラブラドール
Aコッカ

です。
大型犬や中型犬に多く、小型犬はあまりみられません。


3)治療は
 
放置しますと、3週間で、耳の中の血液は、徐々に吸収されていき、軟骨におきかわり、石灰化します。耳介軟骨は変性して、カリフラワー状に瘢痕収縮します。
こうして、耳は変形した形で残ります

外科手術をしても、耳は変形します。

見た目は、そうなのですが、

治療しないで放置した場合、耳の入り口が狭くなったりすると、慢性的な外耳炎の原因になる可能性があります。

4)当院での治療は、、

①消炎剤のステロイドを飲んでもらう
耳介軟骨の軟化変性を抑制するために、ステロイドを内服します。

②ふくらんだところの血腫から、血を抜く。
ただし、
 初期治療では、この血をぬくと、余計、炎症がひどくなって、腫れてしまう可能性があります。(感染の危険があるから)
なので、最初は抜かない、で、出血がとまって、貯留液が薄い色になってきたら、吸引して、ぬいてあげる。

③インターキャットを、そこに注射する。

④耳血腫の治療中は、耳をふらさせないため、あえて、耳掃除をしない。(オスルニアという薬をいれます)



それでも、だめなら、
手術で、耳血腫のところを穴をあけて、縫う。
でも、耳の形は変形します。