ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

嘔吐の原因ーー幽門狭窄

よく吐くけれど、元気です

そんなワンが多いですが、

まあ、体重が減らなくて、下痢もしなくて
元気だったら、たまに吐くならいいかなー
って思われますよね

たまに吐いているくらいなら、命にすぐにかかわるわけではないのですが、
幽門狭窄という病気があります。(もちろん、胃腸障害がでますので、治療が必要です)

これは、
食べ物が胃から十二指腸に流れていくのですが
その出口が狭くなる病気です。

1)好発犬種は
 短頭種です(パグ、ブルドックなど)

とくに、短頭種気道症候群といって、呼吸器症状(ゼーゼ^ヒーヒー苦しそうにしている)のあるわんちゃんに、胃・消化器障害が多いといわれています。



2)原因
①良性の幽門筋肥厚
若いときから、よく吐く短頭種に多く、猫ではシャムに多い。
ガストリン過剰産生が疑われています(胃酸がたくさんでます)

②胃前庭部粘膜肥厚

  高齢の小型犬に多く、オスのほうがメスよりも発生率が高い。
好発犬種は、マルチーズ、シーズー、ペキニーズ、プードル、ラサアプソ


3)症状
 週単位か、月単位で徐々に悪化する間欠的な嘔吐
食後数時間で吐くことが多い
吐しゃ物は消化されています
慢性嘔吐によって二次的な食道炎(強い酸性が食道に逆流して、食堂の粘膜を痛めます)があると、食後すぐに吐出したり、よだれがでたりします

4)検査
 バリウムのレントゲン検査、内視鏡、エコー

5)治療
  胃の運動改善薬
  狭くなっているところを切除する外科手術