ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

卵巣の腫瘍

避妊手術をしていないシニアのワンコがかかる病気に
卵巣の腫瘍があります。

1)症状
おなかがおおきくなったり
腹水がたまったりします。
これは、卵巣癌が腹膜に広がり、腹膜癌腫症となり、腫瘍性腹水がたまります。おなかが大きくなるので、飼い主様が気づきます。

悪性度が強いと胸水がたまることもあります。

長期間にわたってエストロゲンが過剰になることによって骨髄形成不全をおこし、発熱、白血球減少(好中球)による敗血症(子宮蓄膿症になります)、血小板減少による出血、貧血がみられうこともあります。
乳腺過形成や内分泌性脱毛



2)転移

腹膜に転移して腹膜癌腫症になります
そのほか、腎臓、副腎、肺、骨、縦隔リンパ節へ遠隔転移することもあります。

3)治療
 転移していなければ、外科的切除
 シスプラチンという抗がん剤の腹腔内投与
 生存期間はまちまち
(アメリカの犬猫はほとんどが避妊手術するので、症例数が少ないのでしょう、、)