ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

アトピー性皮膚炎のための減感作療法

犬のアトピー性皮膚炎のための減感作療法というのがあります。
アトピー治らない
ステロイドを飲むしかない

そんなお悩みのワンのための朗報です。
昨年から、犬専用の減感作療法の薬が発売されました。
従来の製品ですと、海外から輸入するので高いし、半年くらいかかったり、高額だし、ということで
いまいちだったのですが

昨年、日本の会社が日本でつくったという減感作療法の注射薬がでました。

実はわたしは、新しい注射薬をすぐには導入しません、人薬でもそうですよね、発売されてからいろいろ、副反応や副作用が報告される、(子宮頸がんワクチンみたいに)。
だから、1年たって、ある程度普及して、悪いウワサが聞こえてこないのを確認してから、
導入しています。

とうことで、
1年たったので、
当院で減感作療法を行うことにしました。

どういうものかといいますと、
アトピーの原因に多いコナヒョウダニのアレルゲンを皮下注射でいれることによって、
かゆみの原因をつくるIgEをへらして、IgG抗体をつくりやすくし、アレルゲン物質をたたく、、ということです。

具体的には
週に1回、減感作の皮下注射(最初は濃度を薄くして、だんだん濃くする)を6回うつだけです。

でも
食物アレルギーがあったり、ほかの原因がある場合は、この注射だけでは改善しない可能性があります。

ということで、
まず、この減感作の注射がきくようなアレルゲンをもっているのかどうかを血液検査で調べます。
それで対象となることを確認してから治療を開始します。

ハウスダスト以外の花粉などのアレルギーがあった場合、それでも、症状が改善するという報告が得られています。

痒い痒い、つらい、ワンがご家庭にいるのでしたら、ぜひ、この減感作療法(人間の花粉症のスギ花粉も減感作療法ですよね)をご検討ください。アレルギー性外耳炎にも効果があるようです。ステロイド投薬を一生続けるのは副作用が心配ですし、これは、根治治療になる可能性もあります。