ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

心臓に雑音があります、、

ワクチンに来院されたとき、
必ず聴診します。
そのときに
心臓に雑音があるっていわれたりしますよね。

シニアの小型犬に多い
僧房弁閉鎖不全症という弁膜症であることが大半です。

キャバリアに最も多いです。
最初は、症状がない時期が2-3年あります。
それで様子をみてしまうケースが多いですが、、、

心臓はどんどん悪化して
肥大して、
ついには全身の循環が悪くなって
肺に水がたまる肺水腫という病気になってしまいます。そうなると、
肺水腫をおこしてからの余命は、平均9か月(お薬を飲んでいても!もちろん薬を飲まなければ、死の淵に、まっしぐら、)といわれています。

心臓の薬をのむと、ずーーっと飲ませないといけないから、
飲んだり飲まなかったり、というわけにはいかないので、
薬を飲ませるのがたいへんな小型犬のオーナーさまは
たいてい、躊躇されます。
しかも、
肺水腫になるくらい症状が悪化すると、食欲もおちてくるので、ますます投薬がたいへんだわっていうお声をよく聞きます。しかも1錠だけではなく、数種類の薬を1日2回もあげないといけないので、、
なかなか、
やっかいですよね。

薬が飲めないって、最初から、きっぱり、おっしゃられると、わたしも
その先の検査とかお話ができなくなって、
そのままになってしまうこともあり、
反省しきりです。≪われわれ、獣医師はお薬を処方するか注射するのが仕事なので、、、薬も注射も無理、、となると話はすすみません)


では、どういう段階になったら、薬を飲まないといけないのか

症状がなくてもレントゲン検査で心臓が拡大したら、心臓の薬を飲み始めたほうがベターです。
もちろん、咳がではじめるなどの症状があるのなら、なおさら、薬を飲ませたほうがいいですね。

心臓をとりかえることはできないです。だから、大事な心臓を大切に守るために心臓の負担を減らす薬を飲まないといけないのです。心臓病は治らないんだって何度もご説明してもご理解してもらえなかったことがありますが、
血圧の薬と一緒で、薬を飲まないと血圧が下がらないから、ずーっと血圧の薬を飲まないといけませんよね。心臓も同じです。悪くなったら、これ以上。大事な心臓が悪くならないように、心臓の負担を減らすための心臓の薬を飲まないといけないのです。
、唯一無二の心臓には、ながーーっく、働いてもらわないといけませんよね。