ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

穀物不使用のペットフードの効果は?

アメリカの獣医栄養学の認定専門医の先生によると、
(会ったわけではありません。あしからず)

市販のペットフードに書いてある、
穀物不使用や、グルテン不使用という表現は、
ほぼ販売戦略的な用語であり、ペットの健康には何の利益ももたらさない

ということだそうです


理由は

まず
炭水化物源として、従来のペットフードには、コーン、小麦、米、その他の穀物をつかっていますが
その代わりに
ポテト、タピオカ、エンドウ豆、その他のマメ科植物を使用することで

穀物不使用
ということになります。

これは、アレルギーに配慮しているようにみえますが、

1)どうぶつは、肉に比べて穀類が食物アレルギーを引き起こすことは非常に少ないので、
穀物不使用の食事に切り替えても、以前から食べているのと同じ肉を与え続けていれば、真の食物アレルギーであるどうぶつにとって効果は期待できない。


2)穀物不使用の食事は低炭水化物食と同じと考える人が多いが、
実は、炭水化物の量は穀物を多く含む食事とさほど変わらない場合が多く、使われている炭水化物は、全粒穀物よりも単純炭水化物の可能性がある。
ということで、炭水化物から穀物不使用にしても、糖尿病の予防にはならないのです。さらに、炭水化物の多い食事ほど猫の糖尿病を引き起こすという根拠はないそうです。



3)グルテン不使用の食事といっても、
実はグルテン過敏性腸症で報告されているのは、血縁の近い数頭のアイリッシュセッターだけであるので
そのたの犬種や猫がり患したエビデンスは報告されていない。
ということで、消化がいいと信じて、わざわざ、グルテン不使用の高いーっフードを買っても、それだけでは消化器疾患のある犬猫さんにそれほど、恩恵があるわけではないということです。

4)炭水化物から穀物不使用にしても、糖尿病の予防にはならない


虫よけグッズが実は、あんまり効果がないっていう指摘がありましたよね。
商品の過大広告や宣伝文句につられて、高――いいものを買わされることが多くなってしまう、トホホ!!