ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

カビの治療

お外にいった猫ちゃんが、なにやら、耳のあたりとか、背中のところに、まるーっいハゲがある。辺縁にフケがある
で、痒がっている。


重症になると、炎症も加わって、疥癬のようにもみえます。

となると

皮膚糸状菌の可能性があります(つまり、カビ)

この診断は、
ウッド灯検査(光を当てるだけですが、100%検出できるわけではない)
培養検査(真菌の培地が栄養がいっぱい。コンタミしやすい。時間がかかる)
顕微鏡でみる(なかなか、難しい。)

原因は
 タヌキなどの野生動物や
ノラ猫さんがカビをもっていると、土壌などからの環境からカビの胞子をどこやらからでもらってしまった(直接タヌキと接触しなくても)

治療は
① 長毛の猫さんなら、特に、まずは毛刈り

なぜかといいますと、抗真菌薬は、被毛に浸透しにくいからです。
つけるカビの薬(外用薬)は、表面の胞子・角層の菌糸を除去できますが、被毛内の菌糸にはきかない。
でも、被毛の中に薬を塗るっていうのは、難しいですよね。
だから、毛刈りをしないといけないのです。
感染部位だけでなく、その周囲を広範囲に毛刈りをして、汚染した被毛を除去しないといけません。

カビの内服薬は、毛根には浸透しますが、毛先には浸透しません。


②家の中を徹底的に掃除する
カーペット、クッション、猫ちゃんのベッドを処分するか、塩素系で消毒する

 カビの胞子は乾燥下でも生存するので、布やカーペットなどが感染源となるリスクがあります。
 猫さんの治療をしても、家の中に胞子が残っていれば完全治癒しないですよね。それに、人間にうつります。

③ シャンプーする
 毛刈りして、シャンプーして、汚染被毛を除去する
 長毛の猫さんは、毛が生え変わりにくいから、全身バリカンで刈りあげる

④ 抗真菌薬を飲んでもらう
 イトラコナゾールという、高―っい薬を4週間、毎日飲んでもらう。(1日1回)
そして、5週間から8週の間は
1週間飲んで、そのあと1週間休薬して、また、飲んでもらうパルス療法


ということで、
カビをもらってしまうと

時間と労力とお金がかかります!!
猫ちゃんはお外にださないのが、一番ですね


あったかいんだからーーー

やっぱり、家の中が一番、くつろぐわー