ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

犬の慢性気管支炎

ワンコさんにも、風邪のような気管支炎があります

1)原因
 原因不明なことが多いですが
 ・大気汚染
 ・受動喫煙
 ・気道感染
 ・アレルギー

2)なりやすい犬種
 トイプードル、テリア種

 
3)症状
 2か月以上、連続して慢性的な咳
 時間帯や天候によって変化
 進行すると、運動すると、苦しそうになったり、呼吸困難になって口をあけてハアハアします。
 チアノーゼ(舌の色が青くなる)
 虚脱(ちょっと、ぐったりして、脱力して少しの間動けなくなる)
 重度に進行すると、元気食欲がなくなり、発熱したりします。

4)診断
 血液検査、レントゲン
 気管支内視鏡検査≪麻酔をかけます)
 CT

5)治療
 完全には治らないので、進行を遅らせることを目的とします
 アレルゲンを避ける、
 抗炎症剤、気管支拡張薬、去痰剤、抗菌剤の内服
 こういう内服によって、咳のコントロール、感染のコントロール、あとは体重管理をします。
人間ですと吸入治療をしますが、犬だとなかなか、嫌がって難しいですよね。



6)予後

気管支の炎症が慢性的に進むと、気管支拡張症や、気管支虚脱、肺気腫といった治らない病気にするむこともあります。そうなると、二次感染として細菌感染などが生じやすくなり、さらに進むと、慢性気管支炎によって低酸素血症が引き起こされ、最終的には右心不全(心臓が悪いなる)になる可能性もあります。

ということで、治る病気ではないのですが、悪化させないために、治療が必要です。きちんとコントロールできれば、予後は悪くないといわれています。

実のところ、うちのアンデイくんは、よく咳をするので、A大学病院でCT検査をしてもらって、気管支拡張症といわれたのですが、別のB大学病院では気管支拡張症は否定されました。細菌培養検査をしたのですが、陰性でした。
うーん、まあ、数種類の薬でコントロールできているので、
今は元気にしております。