ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

肺の腫瘍と喫煙

肺に腫瘍ができることもあります

原発性(つまり、最初に肺に腫瘍ができたもの)は犬の腫瘍のうち1%で、少ないです

大半は、ほかの腫瘍が肺に転移してしまったものが原因です

1)原因は

 ・ほかの腫瘍の転移
 ・飼い主さまが喫煙者で、そのそばにいた受動喫煙もありやといわれています(口の中の腫瘍の原因になるともいわれています)
 ・都市部の環境汚染
 
2)症状は
 ・咳
 ・呼吸が苦しい
 ・いつもハアハアした頻呼吸
 ・肺腫瘍随伴症候群として、肥大性骨症があり、手足が腫れて、痛みで歩けない

 手足がはれて、歩けない場合は、肺腫瘍がある場合もありますので、検査が必要です
猫ちゃんは、原発性の肺腫瘍が足先に遠隔転移する「肺ー指症候群」があります

3)診断
 レントゲン検査
 CT検査で、X線検査でわからない小さな転移や、炎症と区別ができない病変を診断できます

4)治療
 胸を開いて、腫瘍をとりだす(これって、人工呼吸器が必要ですし、麻酔リスクも高く、かなり難易度の高い手術です。大学病院などで行っていますが、、、)
でも、ほかの腫瘍が肺に転移した肺の腫瘍でしたら、手術は、適応外です(手術しない)。
 放射線治療は、正常の肺までこわすので、適応外です。
 化学療法ですが、効果は限定的です

残念ながら、肺に腫瘍ができてしまうと、あんまり、予後はよくないし、治療方法はないってことですね。

小山田緑地の紅葉