ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

市販食と療法食の違い

市販食で、尿路疾患のこともケアしています、、と
うたっていますが、


実際は療法食ほど、きちんと考えられたお食事ではない可能性があります。結石ケアをうたった一般食を食べていても、
体質によっては、石ができてしまうことがあります、

その理由は

①ストルバイトの材料となるマグネシウムを減らしただけ

 マグネシウムを制限しすぎると、カルシウムとのバランスが悪くなり、カルシウムが尿に排泄されてしまうので、結石の材料になってしまいます。そして、カルシウムは尿のPHを高くしてしまいます。
尿のPHと関係なくできてしまうのが、シュウ酸カルシウム結石というのがあります。これは解けない石なので、手術で膀胱から石をとりださないといけなくなります。

②尿酸性化剤をいれただけ
ストルバイトは、アルカリ尿でできてしまいます。そのため、尿を弱酸性(猫はPH6-6.5,犬はPH5.5-6.0)にすることが大事なのですが、

尿酸性化剤(塩化アンモニウム、DL−メチオニン)を食事に添加しますと、血液が酸性になります(水素イオンが増えるから)すると、体がアシドーシスといって、酸性になってしまうので、体に負担がかかります。

塩化アンモニウムの副作用は、食欲不振、嘔吐、下痢、子猫の骨の脱灰

DL−メチオニンの副作用は、メトホモグロビン血症、溶血性貧血、子猫の骨が弱くなる

体液が酸性になりますと、アルブミンと結合したカルシウムがかい離して、血液中のカルシウムが増えて、尿中に排泄され、シュウ酸カルシウム結石の原因になるカルシウムが尿の中にでてしまいます。

ということで、

単純に、結石ケアとうたって、尿酸化剤やマグネシウムを減らしただけ、、というようなエビデンスのない一般食を続けることは、逆に健康を害する可能性もありますので、ご注意ください。

あと、安価なペットフードのなかには、植物性の穀類を多く含むためシリカ結石の原因となるといわれています。

食べたものから体がつくられる、

本当に食べ物は大事です

ですが、

もしも、おうちのワンコさんが、残念なことに膀胱結石ができてしまっても、
いままで、あげたものが悪いのだとご自分をせめないようにしてください、
膀胱結石ができやすい犬種(シーズー、Mシュナなど)
結石ができてしまうこと、できない犬という、違いがありますので、
悲観しないでください。今後、気を付けてあげて再発しないよう注意をすることが大事です。


お水をいっぱい、飲んで、おしっこをガマンさせないことが、膀胱炎の予防になります。
そのためには、室内トイレのトレーニングを子犬の時からするといいですね。避妊去勢を子犬のときにすると、外でしか排尿しないワンコになる可能性を減らしてくれます

アンデイくんの室内トイレ