コルチゾールの値
コルチゾールというステロイドホルモンの量を血液検査で測定します
もし、コルチゾールが健康犬1-6μg/dlなのですが、
この数値を大きく上回る場合は病気の可能性があります
・クッシング症候群
・ストレス(運動やストレスで数値があがる。たとえば、前立腺の炎症とか膀胱炎など長い慢性のつらい病気のストレスでもあがります)
・ものすごく高い場合は、
副腎のがん、ポメハゲ(アロペシアX,成長ホルモン反応性の皮膚炎)、卵巣の病気
クッシング症候群かどうかを
診断するには、ACTH刺激試験という血液検査をします。
この検査の前の数時間は絶食、安静、(水はオッケー)
午前中に試験を行う
コートロシンというホルモンの筋肉注射をして60分後のコルチゾールを測定します、
この検査で、コルチゾールの値が非常に低かったから(2.0μg/dl以下)、逆にコルチゾールが少なすぎるアジソン病(副腎皮質機能低下症)を疑います。
で、クッシング症候群が多い犬種は
シーズー、コーギーに多発します。ですが、シーズーはうまれつき副腎の形が大きくておかしい奇形が多いので、エコー検査でクッシングに間違われることもありますので、注意が必要です。検査と症状とくみあわせて、経過観察が必要となります。
クッシング症候群と診断されると、
コルチゾールをつくられないようにする薬を飲まないといけません、(昔は副腎そのものをこわす薬だったのですが、近年、この薬が主流です)
薬というのは当然副作用がありまして、
コルチゾールがつくられなくなりすぎると、逆に副腎皮質機能低下症のアジソン病になったり、
あるいは、コルチゾールをつくる指令を送る脳の下垂体というところが、大きくなってしまって、徘徊や頭部を壁におしつけるなど、ぼけたような痴呆症状がでることがあるといわれています。(発作や斜頸、失明はおこりません)
下垂体が大きいかどうかは、普通のレントゲンではわかりませんので、全身麻酔のMRI検査になります。
もしも下垂体が腫大してしまったら、放射線治療になってしまいます。