ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

動物用医薬品とは

医薬品とか、医薬部外品とか、動物用医薬品とか、
いろいろ表示がありますよね。

1)医薬品とは
病気の予防や治療をするために、名称,成分,分量,用法容量、効能効果,副作用について、品質・有効性及び安全性に関する調査を行い厚生労働大臣都道府県知事が認めたもの
です。

つまり、
医薬品とは、文字通り、病院で医師が処方してくれるクスリや、薬局・薬店で市販されている風邪薬や頭痛薬などのこと。
配合されている有効成分の効果が認められており、病気の治療や予防に使われるクスリを指しています。

ということで、お医者さんの処方箋や薬剤師のいる薬局でないと、手に入らない、もの

2)医薬部外品とは、
医薬品ではないが、医薬品に準ずるもの。

つまり効果・効能が認められた成分は配合されているが、それは積極的に病気やケガなどを治すものではなく、予防に重点を置かれたものといえる。対象となる物もはっきりと定められています

また、効果そのものも誰にでも必ず認められるというものではなく、効果が期待できるという範囲。この作用の違いが、医薬品との大きな違いです。

具体的には、
薬用歯磨き剤、制汗スプレー、薬用クリーム、ベビーパウダー育毛剤、染毛剤、入浴剤、薬用化粧品、薬用石けん、などです。

では、動物用医薬品とは?
はじめに 〜動物用医薬品とは〜

1 動物用医薬品等とは

以下、公益社団法人の日本動物用医薬品協会のHPから抜粋しています。
http://jvpa.jp/jvpa/


医薬品、医薬部外品及び医療機器(以下「医薬品等」と言う。)は、いずれも一般の日用品と異なり、保健衛生上極めて重要なものであるため、日本における医薬品等に関する運用等を定めた法律である“薬事法”によって規制されています。
一方、専ら動物に使用する医薬品等を動物用医薬品等と言いますが、これらも人用と同様に薬事法によって規制されています。対象となる動物としては以下のようなものがあげられます。

産業動物・・・ 家畜:牛、豚、めん羊、山羊、馬
家きん:鶏、あひる、うずら
魚:養殖水産動物
その他:みつばち、蚕
・伴侶動物・・・ 犬、猫、小鳥、鑑賞魚

2 人用医薬品との違い


例えば、皆さんが風邪をひいた場合、薬局・ドラッグストアで購入した風邪薬を服用する事もあれば、病院に行って医師に診察してもらって薬の処方を受ける事もあるかと思います。前者はいわゆる大衆薬(OTC 薬)、後者は処方せん薬と呼びます。
一方、家族の一員とも言える犬や猫等の小動物が病気になった場合や病気の予防をする場合、基本的には動物病院に行って獣医師に診てもらうと思います。一部の動物用医薬品は量販店やドラッグストアでの購入も可能ですが、小動物を対象とした医薬品の多くは動物病院での処方になります。また、産業動物(主に食用となる家畜や養殖水産動物)を対象とする動物用医薬品の場合も、診察した獣医師(水産用ワクチンの場合は、水産試験場の技術者)の処方となります。
処方せん薬とそうでない薬がある事とか、そもそも効果と安全性が証明されないと薬として認められないという点では人用医薬品と動物用とは同じです。


医薬部外品

薬事法における「医薬部外品」の定義は、次の①〜③に掲げる物であって、人体に対する作用が緩和なものです。
1.次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物であって機械器具等でないもの
イ,吐き気その他の不快感または口臭もしくは体臭の防止
ロ,あせも、ただれ等の防止
ハ,脱毛の防止、育毛または除毛
2.人または動物の保健のためにするネズミ、ハエ、蚊、ノミ等の防除
3.人または動物の疾病の診断、治療または予防に使用されること、人または動物の身体の構造または機能に影響を及ぼすこと、を目的として使用される物のうち、厚生労働大臣(動物用医薬部外品農林水産大臣)が指定するもの。

「動物用医薬部外品」の代表的なものとしては、薬用シャンプー、ノミ・ダニ駆除剤、 ノミ避け首輪、蚊取り用芳香剤等があり、おおよそ940 品目が承認を受けています。

つまり、
ショップで売られているノミダニ予防薬は、効能が定かでない医薬部外品

フロントラインやコンフォテイスは、効能が証明されている
動物用医薬品という違いがあります。


動物用医薬品は、
薬事法で、品目ごとに農林水産大臣の承認を受けなければ販売できないということで、
企業やメーカーが開発すれば、勝手に販売できるわけではなく、農林水産大臣からの販売のための承認が必要とうことです。
この承認を得るのは、なかなかたいへんのようで、
薬事法で製造販売業の許可を取得した企業でないと、つくれないのです。人体用医薬品の製造業の許可をうけていても、別途、動物用医薬品の製造販売の許可を得る必要があるということで、動物用医薬品をつくるのは、だれでもできるわけではないということです。

承認をえるためには、
山のような書類やら、臨床試験、安全性、毒性検査、などなどを提出したり、ヒアリングをうけたり、審議会での審査をうけて、はれて、製造販売するわけです。

ということで、ジェネリックと正規品の違いは、

正規品は、つまり、最初に、その薬を開発したメーカーは、
承認を得るために、いろいろな審査をクリアして、世の中にでてくるわけです。(先発医薬品)

後発医薬品ジェネリックは、
薬事法でいう「動物用としてすでに承認されているものと同一性があると認めらる場合」に該当し、先発医薬品と比べると多くの手間と書類を省略することができます。結果として経費の軽減や開発期間、承認をえるまでの期間が短縮されます。
つまり、先陣の努力によって医薬品として認められているものをあとから、つくるほうが、ラクなんですねー
だから、ジェネリックのほうが、正規品よりも安い、
(あとから、ゾロゾロつくられるから、ゾロ品という)
というカラクリです。

ということで、
人間の世界でも問題になっているようですが、
ジェネリックがでまわってしまうので、
最初に薬の開発をするメーカーは、わりにあわないので、
薬の開発に支障がきたしているというハナシです。
どっかの国みたいに、そりゃーー、人のまねしてつくったほうが、ラクですよねーー。
この風潮が続くと、医薬品の進歩が妨げられてしまうのが、困った問題になりますね。



こんど、ノミダニ予防薬にフィラリア予防と寄生虫の駆除が全部一緒になった薬がでます。パノラミス錠という薬です。もちろん、動物用医薬品の要指示医薬品です。
ノミダニの薬をフィラリアの薬を別々に購入するよりも、割安になります。
消費税が上がる前に、予防薬を購入されたほうが、オトクですね!