外耳炎のあとで、目がまわる?
ウサギさんの外耳炎の治療の後にみられることがあるのですが、
犬猫さんでも、起きないとは限らなりません。(犬よりも猫のほうが多い)
外耳炎のめ、耳の中に洗浄液をいれたあとに、末梢性前庭疾患を誘発するということがあります。
これは、なにかといいますと、
眼と、頭の位置を正常に保ち体のバランスを正常に維持するための神経路には、
中枢神経系(小脳と延髄の前庭神経核)
と
末梢神経系(内耳、第8脳神経)
からなるのですが、
この内耳と第8脳神経(中枢神経と内耳を結ぶ神経経路)
の末梢性の神経がダメージをうけることがあるのです。
症状は
斜頸(ダメージをうけた側に頭が傾く)
眼振(目がヨコに揺れる、あるいは、回転する)
斜視
旋回運動
運動失調(ちゃんと歩けない)
平衡障害(ふらつく)
嘔吐、
気持ち悪いので食欲不振
原因は
耳の中に洗浄液をいれたとき、洗浄液がクロルヘキシジンなどで、内耳への中毒をおこす
イヤークリーナーや水といった物理的刺激でも内耳にダメージを与えることがあります(だから、一番いいのは、生理食塩水)
治療
ステロイド剤と抗菌剤の投与
予後
1−3週間で改善するケースが多いですが、後遺症として平衡障害や聴覚障害が残る場合があります。
ということで、
当院では、猫ちゃんの外耳炎には、
イヤークリナーといった洗浄液を用いないようにしております。できるだけ、耳への刺激が少ない点耳薬のみを使用しております。
お耳はけっこう、ナイーブですから、外耳炎が慢性化してじくじくしていたら、中耳炎もおこしている可能性がありますので、よくわからない、へんな液剤はいれないようにしてくださいね。
お風呂に入れるときは、エリザベスカラーをつけて、
耳に水がはいらないように、気を付けましょう(写真撮影のため、はずしています)