非ステロイドのお薬
シニアになると、犬も猫も
あちこち、ガタがくるといった、
、関節炎などがでてきます、、
歩くのを嫌がる
腰がいたそう
足を引きずる
ということで、
炎症を抑え、痛みをとってあげる動物用の非ステロイドの消炎剤を飲むことがあります。
飲むと、とってもラクになったというお声を頂戴します。
この非ステロイドの薬ですが、
ステロイドと違って安心って思われる方も多いですね。
薬なので、すべての薬の副作用があるわけですので、
非ステロイドの薬にも副作用があります。
作用機序は
炎症を起こすメカニズムがあって、その一部のルートを遮断することによって、炎症を抑えるというわけです。
ですが、体にはすべて、必要なメカニズムがあるわけであって、それを抑制すれば、当然、べつの問題がでることがあります。あちらたてば、こちら立たずってことですね。
どこに作用するか?
炎症をおこすPG(プロスタグランジン)の合成を抑制する薬ですので、このPGは、末梢、脊髄、視床下部で痛みに関係します。ということで、非ステロイドのお薬はこの三か所の痛みを軽減してくれるということです。
だから、関節炎や腰痛といった、神経性の痛みによくきくわけです。(内臓の痛みには、関節炎ほど、劇的にきかないかもしれません)
副作用は
消化器障害
人でもロキソニン飲むと胃が悪くなるっていうこともありますよね。動物でも、お薬で胃が悪くなることがあります。
インドメタシンで胃潰瘍がでたりします。
これは、PGは消化管粘膜を保護する働きがあるので、このPGの合成を抑制する結果、おきてしまう副作用です。
ですが、近年、いろいろな非ステロイドの動物用のお薬が開発され、消化管障害をおこしにくいルートで作用する薬がでており、昔ほど、胃が悪くなることが少なくなりました。ただし、ステロイドのお薬を同時に飲むと、消化管障害がでやすく、嘔吐や下痢の原因になります。
アスピリンは、特に消化器障害がでやすい薬ですので、めったに使いません。
腎臓障害
非ステロイドが合成抑制する、PGは、腎臓での血管拡張作用をもっています。
腎臓が正常に動いている場合は、非ステロイドのお薬を飲んでも副作用はでませんが、腎機能がおちているときは、腎臓のダメージを与える可能性があります。
肝臓障害
まれといわれています。
猫ちゃんは、肝臓でのグルクロン酸抱合能が低いので、非ステロイドの薬は副作用がでやすいといわれていましたが、近年、猫ちゃんでもかなり安全に飲める薬が開発されてきました。
副作用がある薬はこわい、飲みたくないって思われますが、これはすべての薬にあることで、
しかたがないことです。
では、どういうときに、非ステロイドのお薬を飲むかといいますと、
・術後の疼痛管理
手術したら、誰だって痛いですよね。その痛みを緩和してくれます
・慢性の疼痛管理
変形性関節症に苦しんで、歩けないくらいつらいとき
・がん患者の疼痛緩和
・腫瘍の治療
ピロキシカムという薬には抗腫瘍効果があるといわれています。膀胱移行上皮癌、口の中の扁平上皮癌に効果があるといわれています。
・血小板抑制
出血が止まりにくくなります
(特にアスピリン)
薬の副作用は、いろいろありますが、正しく、慎重に用いれば、病気の治療に役立ちますね。
高幡不動の参道のたい焼き屋さんは、ワンコもいれてくれました。ありがたいです、、やきたてほやほやが食べれます