ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

多価不飽和脂肪酸の役割 フード選びの注意点

プレミアムフードに添加されている、物質のひとつに
多価不飽和脂肪酸というものがあります。
とりわけ、オメガー3多価不飽和脂肪酸の補充強化は栄養学的に意義があるといわれています。

その役割とは、、
1)神経と目の網膜の発達に必須です。

だから、子犬子猫にDHAが強化されたフードを与えると視力が改善され、記憶力強化(これは、わかりにくいですが)、訓練の受容性が向上されるといわれています。

母犬や母猫にDHAを強化した食事を与えると妊娠中は胎盤経由で胎児に,分娩後は母乳を介して新生児にDHAを供給できます。

なので、子犬子猫、母犬、母猫さんにはDHAが強化されたフードを与えるとよいですね。

ただ、与えればよいというわけではなく、適正な量というものがあります。
繁殖期、発育期のフードには、DHA含有量が0.2%を超えるフードで、総オメガー3多価不飽和脂肪酸が1-2.0%前後で補充されているものが推奨されているそうです(ヒルズ社)

2)脂っぽい皮膚炎のワンコの被毛の改善
 脂漏症の犬にリノール酸やαーリノレン酸がいいといわれています。
 リノール酸は、皮膚のバリア機能の強化に役立ちます。

3)炎症性皮膚疾患の改善
4)変形性関節症の改善
 炎症と軟骨分解をコントロールするという利点があります。
5)慢性腎不全の進行を遅らせる
6)癌にかかっているとき、高インスリンや高乳酸血症などの代謝異常を改善するといわれています。
7)心臓の悪い犬、心筋症のときの不整脈の改善

たいていのフードに含まれている脂肪酸は、植物油が使われていますが、その供給源としては魚油、亜麻仁油ですが、
油って、劣化すると、逆に体に悪いですよね、
(古い劣化した油でつくられた食事を食べると、あとで胃がムカムカするのはわたしだけ?)
不飽和脂肪酸を添加している」といっても、
その質と量が大事だと思います。
なにを原料としているか、精製度、濃度は製品によって異なりますので、信頼のおけるメーカーの製品を選ばれることが大事ではないでしょうか。

ということで、


プレミアムフードという言葉だけを信じて、高いフードを買ってしまいがちですが、
その会社がどこまで動物の栄養学を研究していて、きちんとフードにそれを反映させているか、長年の実績と経験、ネームバリューが大事でないかと思います。

ワンコにあった、からだにいいものをいれています、とか、無添加・無着色、自然食品とか、「プレミアム」とか、「贅沢なヒトシナ」とか、あれこれ、耳触りのよい言葉が踊っているようなものもあるのではないでしょうか。
成長期の体に必要な栄養素、さらに、ハーブや脂肪酸を添加しています という宣伝文句をうのみにするのは、今のご時世、危ないような気がします。
(マックのチキンナゲットが中国産の鶏肉だなんて、わたしはショックでした。)


ブランドバッグも、柄やデザインは一見すると同じだけれど、よくみると、本物と偽物とはつくりも違うし、偽物はすぐ壊れるけれど、本物は長く愛用できるとか、値段が違うのは、デザインだけでなく、中身も違うんだって感じることがありますよね。
フードもそうですよね、、

「あなたのワンコにあったフードをつくります」、
とか
手作りをやけに強調する、工場直送とか、
どことはいいませんが、
あやしげなフードメーカーがありますが、

その会社がどこまで栄養学的に考えて、その「手作りフード」とやらを作っているのか、
メーカーの宣伝文句を頭から信じないで、一度検証してみることをおすすめします、、


いろいろ考えて、フードを選んでくださいね。
健康は食から
BY アンデイ


(生田緑地の展望台)