ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

耳血腫の治療とインターフェロン

昨日、最新の耳血腫の治療というセミナーにいってまいりました。

昔は、耳血腫とは、外耳炎の大型犬が、必死に耳を掻きすぎて、耳の中の血管を損傷して耳の皮膚と軟骨の間に血がたまるっという考えられていましたが(外因性)、

今は、、

耳介(耳たぶのこと)の自己免疫機序が原因でおきる、内因性のものではないかと考えらえれています。
耳の中の血管が掻きすぎてこわれるのではなく、

耳の軟骨が、変性して、耳介軟骨の中に血液がたまるということです。

この耳血腫は発見は容易ですが、治療は、なかなか、苦労します。

犬に多いです。

起きやすいのは、

ゴールデンリトリバー
ラブラドール
Aコッカ

です。
大型犬や中型犬に多く、小型犬はあまりみられません。

猫ちゃんにもおきますが、多くはありません。猫ちゃんは治療が難しいといわれています。

原因は
免役的なものの関与ですが、
基礎疾患に外耳炎があります。

治療は
 
放置しますと、3週間で、耳の中の血液は、徐々に吸収されていき、軟骨におきかわり、石灰化します。耳介軟骨は変性して、カリフラワー状に瘢痕収縮します。
こうして、耳は変形した形で残ります

外科手術をしても、耳は変形します。

見た目は、そうなのですが、

治療しないで放置した場合、耳の入り口が狭くなったりすると、慢性的な外耳炎の原因になる可能性があります。

外科的な治療をしない場合、

・耳の血腫を穿刺吸引しない(感染の危険があるから)
・耳介軟骨の軟化変性を抑制するために、ステロイドを内服する。
・5日ー7日に1回の間隔で、5−10MUのインターフェロンを耳に注入する。(痛がります)
・耳血腫の治療中は、耳をふらさせないため、あえて、耳掃除をしない。

  この治療を3週間くらい継続すると、耳が委縮しないで
きれいに治ったケースが多いということです(猫ちゃんにはきかない)。ステロイドの内服の量と、注入するインターフェロンの量で、治療成果は異なるようです。


癒し系クマ VS とと太
 20年前に購入しましたが、いまだ健在