ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

抜歯のこと

犬猫さんの歯科治療というと、
人間と違って、その大半は抜歯です、、


歯内治療は、全身麻酔が必要なので限界があり、時間もかかる、、
歯がなくなっても食べることが可能である、、
ということで、
抜歯が一般的な治療になっています。

先日、歯科専門の奥田先生のセミナーでの話です。
歯科専門病院でも、歯列矯正歯周病、根尖周囲病巣の治療には、積極的に抜歯を行っているとのことでした。

抜歯を適用するケースは
・重度の歯周病

・歯冠破折 
  歯髄が露出している場合です。
乳歯が破折して歯髄が露出している場合、乳歯はいずれ抜けるからそのままにしておきますと、乳歯の歯髄から感染して、永久歯がうまく生えなくなる可能性もあります。
硬すぎるガムを噛んで、歯がおれたら、抜歯しないといけなくなることもありますので、ご注意。

・根尖周囲病巣で、顔がはれた、顔から膿がでた、

・鈍性外傷で、歯髄の内出血がおき、無菌性の歯髄壊死をおこして、根尖周囲病巣をつくる。


歯周病が進行して、歯のまわりの組織が感染をおこすと、顔がはれる、食べにくい、鼻水、くしゃみがでる、といった症状がでます。

歯列矯正、不正咬合
鼻の短いシーズーさんなどの短頭首に多い、アンダーショットとかオーバーショットです。
上のあごが長くて、下のあごが短い、オーバーショットは、
下顎の犬歯が上のあごの粘膜をついて、穴をあけてしまうくらい、悪くなることもあります。小型犬は体を無理に小さくしてブリーデイングしてきた経緯があるので、不正咬合が大型犬よりも多いといわれています。
不正咬合がひどいと、うまく咀嚼できないため、食欲不振の原因になったりまします。

・遺残乳歯
人間と違って、犬は永久歯が生えてから乳歯が脱落します。
ですので、乳歯がいつまでも残っていると、永久歯が内側にはえてしまい、歯並びがおかしくなります。
理想は、永久歯がはえてきたら、2週間後に残っている乳歯をぬいたほうがよいということです。
といっても、全身麻酔による抜歯なので、そう簡単には対応できないところが、つらいところですね。


抜歯とひとことでいっても、簡単ではありません。
まず、全身麻酔が必要であること
とくに、下あごの犬歯を抜くには、下顎骨折というリスクもあるので、歯科専門の先生でも、できるだけやらないとのことでした。
抜歯で神経を傷つけることもありますので、注意が必要です。