人にうつるトキソカラ症
動物の寄生虫が偶然人に感染し、成虫になりきれずに幼虫が体内を移行して、さまざまな障害をもたらす感染症を幼虫移行症といいます。このうち、回虫の幼虫による移行症をトキソカラ症といいます。移行する部位により、眼移行型と内臓移行型に分類されます。これは、動物から人にうつる、人畜共通の感染症です。
①感染経路
感染した犬猫さんが排泄した糞便中の虫卵の経口摂取
(つまり、うんちを捨てるときに、手についたまま、食事しちゃったり、糞便で汚染された砂場で遊んでその手を口につけたというような、場合です)
②人にうつると、、
広範な部位で多様な症状をおこします。
発熱、倦怠、腹痛、あるいは気管支症状、肝腫大、筋肉痛、
眼に移行すると、視力低下、ぶどう膜炎などの炎症
③犬猫さんの症状
無症状ですが、子犬や、大量に感染した場合、腹部がふくらんで、やせてきて、下痢をします。土や石などを食べたり(異嗜)、元気がなくなります。
④予防
犬猫さんは、母子感染の可能性があるので、とくに幼児期の駆虫が大事です。虫卵検査(糞便検査)では確認できない場合もあるので、定期的な予防が大事です。
とくに、ノラの子ネコちゃんを拾った場合は、6週齢から駆虫をしたほうがいいでしょう。
今は、フィラリア予防のシーズンですが、フィラリア予防薬のなかに、フィラリア予防に回虫、鉤虫、鞭虫を駆除してくれるお薬も混ぜたものがありますので、フィラリア予防とともに駆虫ができます。