ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

術後のお食事が大事!健康は腸から!

手術前12時間以上前から絶食、2時間前から絶飲ですが(最近、これもかわりつつあります。術前に特殊な栄養剤を飲ませたほうがいいという説もあります)、術後は、特に食事が大事です。

手術をうけると(侵襲)、腸内細菌などが、腸管の中から腸壁を通過し(つまり、腸から外へいく)、本来バクテリアのいない、おなかの中(腸管膜リンパ節や臓器)に移行し、発熱や重度感染症、多臓器不全をひき起こす可能性があります(バクテリアル・トランスロケーション)。この予防のためには、腸からの栄養摂取(つまり、点滴ではなくて、食べること!!)が重要であるといわれています。
この、食べる栄養で大事なものは、水分は、ただの水よりは、ナトリウム濃度(50mEq/L)と適切な濃度のブドウ糖(1-2.5%)が含まれて電解質水のほうが胃排泄遅延を起こさず、小腸から効率的に水分吸収が行われるといわれています。また、アルギニンというアミノ酸が術後の傷の治りを早くし、免疫増強作用があるといわれています。グルタミンによる抗酸化作用、腸バリアー機能の保持作用、多価不飽和脂肪酸による抗炎症作用も大事です。
術前に電解質水とアルギニン、グルタミン、多価不飽和脂肪酸が適切に含まれたものを与えるとよいという説があります。まだ、これは研究段階なので、術前の何時間前がいいのかというのが、決まっていませんが、少なくとも術後に摂取することは、とても大事ではないかと思います。

やっぱり、健康は腸から!ですよね。
例えば、抗がん剤で一番心配なのは、下痢です。腸がやられてしまうと、腸内細菌が、ドドドーっと増えて、体が敗血症になって、死亡する場合もあります。腸内細菌が増えすぎますと、アンモニアが発生し、肝臓に負担をかけます。

アンモニアは、アミノ酸代謝と消化管内の細菌の発酵によって産生されます。それを肝臓が解毒します。)