水をやたらと飲む 多飲多尿の原因 尿崩症
多飲多尿の原因はたくさんあります。
・尿崩症
・慢性腎不全
・クッシング症候群
・子宮蓄膿症
・糖尿病
・甲状腺機能亢進症(年取った猫に多い)
・肝不全
・薬剤(ステロイド、フェノバルビタール)
・高カルシウム血症
・ビタミンD中毒
・心因性など
尿崩症は、下垂体という脳の問題(下垂体から分泌されるバソプレッシンという抗利尿ホルモンがきちんとでない分泌障害)か、腎臓性のものに分けられます。
下垂体や視床下部といった脳の先天的異常や、先天的に腎臓のホルモンの受容体が変異している家族性の腎性尿崩症が原因であることは非常にまれであるといわれています。
原因
・下垂体腫瘍や外傷といった脳の問題
・腎臓疾患によって、バソプレッシンの反応性低下
つまり、バソプレッシンという抗利尿ホルモンがあるのですが、これが、下垂体という脳からちゃんとでなくなる、あるいは、脳からホルモンはでているのに、腎臓にこのホルモンの受け皿になる受容体が機能しないため、このホルモンがちゃんと働いてくれなくなることが、原因で、じゃんじゃん、おしっこがでてしまうという病気です。
・下垂体腫瘍や外傷といった脳の問題
・腎臓疾患によって、バソプレッシンの反応性低下
症状
飲水量が 100ml/㎏/1日を超えている場合
つまり、10キロのワンコが1日1リットルの水をガバガバ飲む。(激しい運動したあとは、除きます)
そして、尿の比重が1.006よりも低い
診断
水制限試験を行う。
試験72時間前から水分摂取量を徐々に制限し、絶水絶食にして、ケージで安静に過ごさせる。そして、体重が5%減少した時点で尿比重を確認する。
尿比重が犬で1.025、猫で1.030を超えていたら、心因性の多飲と判定し、試験終了
膀胱を空にした後、バソプレッシンを注射して、投与後の尿比重を測定していく。尿比重の上昇により、中枢性のものかどうか判定する。
治療
中枢性尿崩症と判定された場合は、脳のスキャン(MRI,CT)で原因を確認
腎不全であれば、腎臓の治療
やたらとおしっこする多尿が生活上、問題にならなければ、自由に水を飲むことができるようにするだけです。この病気の犬猫さんに水を飲ませないようにすると、おしっこだけがでていって、体が脱水してしまい、高ナトリウム血症、高張性脱水で神経症状が起こる可能性があります。
薬で治療する場合は、酢酸デスモプレシン点鼻薬を点眼(1日2回)します。(腎臓性の尿崩症にはききません)。