ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

脳梗塞と寒波

犬猫さんにも脳梗塞がおきることがあるといわれています。
文献から
「脳の梗塞または壊死は脳脊髄血管の閉塞が原因である。脳血管のアテローム動脈硬化症の沈積物は、犬猫の慢性高脂血症性障害の合併症である」

血管の自然破裂による脳内出血は、動物ではまれだそうです。ウイルス性、細菌性髄膜炎、毒素、全身性代謝障害、頭部や脊椎の損傷とともに、脳の出血が発生することがあるとのことです。

脳が無酸素症や低酸素になると、やはり動物も脳にダメージをうけます。低酸素による重度の虚血状態が15分続くと、激しい不可逆性(つまり、もとに戻らない)のニューロン損傷(神経のダメージ)を引き起こします。この寒さで低体温になったり、寒さのストレス、あるいは、発作や呼吸困難によって、脳の無酸素症が起きる可能性があります。脳の低酸素症が起こると、運動失調(立てない、歩けない)、四肢不全麻痺、虚脱(気絶している)、痙攣、昏睡が起こります。瞳孔(黒目のこと)が散大(眼を見開いている)、収縮(黒目が小さくなっている)することがおきます。そして、脳浮腫が起きます。

老犬でお外で飼っているワンコは、寒波がきているときは、せめて、玄関の中にいれるなど、気遣ってあげるほうがよいかもしれません。