アトピー性皮膚炎
柴犬さんとウエステイーに多いといわれている、アトピー性皮膚炎です。定義はいろいろ、ややこしいので、割愛します。
ほかには、ゴールデン、プードル、シーズ、マルチーズ、ラブラドール、シェルテイさんたちも好発犬種です。
アトピー性皮膚炎の原因は、環境アレルギー(特にコナヒョウダニ)が多いといわれています。
特徴は
・3歳未満の発症
・顔、口のまわりが赤くなる
・両耳の外耳炎(耳の縁に病変なし)
・浅在性膿皮症(いわゆる、とびひ です)
・再発性脂漏性皮膚炎(ベタベタした皮膚です。乾燥しているのに、ベタベタしていることがあります)
・室内飼育に多い
・痒がる
・ステロイド治療によく反応する
・季節性の痒み(悪化すると、だんだん通年性へ(1年中痒い)
・IgEというアレルギー検査で原因物質を調べることができます。
なお、1歳未満のひどい痒みの60%は食物アレルギーといわています。
治療は薬の内服と薬用シャンプーです。
ひどいときは、ステロイドを用います。(掻き壊して、悪化させないため)弱いステロイドの作用は、半日から1日しか作用しません。
できれば、低用量で1日おきにセーブしたいものです。
・副作用の少ない抗ヒスタミンの内服です。
これは、アレルギーに対して、体がだすヒスタミンという物質が痒みの原因になるので、このヒスタミンが放出されるのを抑える薬です。1日1回では、効果がありません。次から次へとでてくるヒスタミンを押さえるものなので、1日2回の内服が必要です。
そして、痒いときに使ってもききません。ステロイドで炎症を抑えて、そのあとから用いる薬です。予防的に痒くなる季節の1か月前から用いると効果的といわれています。
・抗生剤(膿皮症の場合、最低3週間内服)
・殺菌作用のあるシャンプーと保湿
・マラセチア感染があれば、抗真菌薬内服(高い)
・場合によっては、免疫抑制の薬(高い)を6週間内服します。副作用は少ないといわれていますが、リンパ腫の場合は、内服できません。