ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

涙やけ

眼の内側のふちに茶色く涙のあとがついた、涙やけが、シーズーやプードル、マルチーズ、チワワ、ポメなどの子犬に見受けられます。
子犬のころは、眼の周りの筋肉が発達していないために、涙やけがおこりますが、成長して治る場合もあります。
涙やけ(流涙症)の原因は、

・鼻涙管(眼と鼻の間を通る管)の入り口(涙点)が閉塞しているため、涙の排泄がうまくいかない。
 (涙点は、ヒト、犬は2個、ウサギは1-個あります)
・毛が眼に入っている刺激のため
・涙点の位置が変位している(眼瞼外反、外傷など)
・涙点と涙嚢を結ぶ管(涙小管)が閉塞(閉じている)
・涙嚢障害 涙をためるふくろに膿がたまったりして腫れる結膜炎が原因(治療は洗浄と抗菌剤の投与)
・年をとったワンコさんで、突然瞬膜が突出してきて、涙が流れなくなる(炎症、腫瘍)

・涙の脂成分をつくるマイボーム腺の炎症  
 水を眼に付着するには、脂が必要です。その脂をだしてくれるのが、マイボーム腺ですが、これがうまく機能していないと、涙が眼にのらないので、眼からあふれていしまいます。

・短頭種(チワワ、シーズーなど)は、眼が大きくてとびだしています。浅い眼窩のため、涙が外にいきやすいです。

・瞼が腫れて内側にむいているため、毛が眼にはいって、角膜に傷をつけます。その刺激で涙がでやすくなります。


流涙症で気をつけたいのは、涙が多いという問題ではなくて、ドライアイの問題です。
涙がうまく角膜にのらないということは、眼が常に乾いているため、眼に傷がつきやすいということです。

また、涙が少なくなる病気もあります。
ジステンパー、ヘルペス、三叉神経麻痺、自己免疫性、アレルギー、慢性的な眼の感染症、外傷、薬物(アトロピン、ケタミン、サルファ剤)です。

たかが涙、されど涙、わんちゃんの瞳をうるおしてくれる涙は眼の保護に大切な役割を果たしています。
ドライアイの治療は、外から涙を補う点眼と、涙の産生を促す眼軟膏です。この軟膏を眼の周りにつけてしまう方がいますが、あかんべーさせて、眼の中にいれてください。