ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

歯周病と歯肉炎 歯のこと、いろいろ

食べたものが、歯についていると、歯垢プラーク)になり、それが、3,4日で歯石になります。
歯石よりも、歯垢が歯肉に悪さをします。歯肉縁上に細菌が増殖して、細菌性プラークになり、歯肉炎が起きます。(歯肉が赤く腫れる)全身状態がよいときは、その歯肉炎の状態ですが、やがて、身体の抵抗力が落ちてくると、歯周病に進んでいきます。歯周病になると、歯のまわりの骨が破壊されます。そして、歯がぐらつき、歯周ポケットができます。これは、どんどん、進行していき、くいとめることが難しいです。やがて、下の顎の病的骨折(腐って骨が折れます)や、体力がおちている場合は、敗血症、骨髄炎になったりします。一般的には、口鼻婁管(くしゃみ、鼻水)ができたり、歯周病のところにバイ菌がたまって、根尖膿瘍(歯の根っこが腐る)になったりします。こうなると、痛くて食べれなくなり、ますます全身状態が悪化して、腎臓肝臓が悪くなっていきます。
つまり、歯肉炎ーー歯肉の炎症で赤くはれている
    歯周病ーー歯のまわりの骨が破壊されている

予防は、ブラッシングをして、中に空気をいれることにより、歯肉の中にはいりこんでいる嫌気性の細菌を
減らすことです。歯の表面についている好気性菌は、毒素をだしませんが、歯肉のすきまにはいりこんでいる嫌気性菌は、毒素をだし、破骨細胞をだして、骨をこわしていきます。
ですから、デンタルボーンでみがいているといっても、それは歯の表面だけで、本当にこわい嫌気性菌の予防にはなっていないのです。
歯肉炎の段階では、スケーリングをしてきちんと治療することができますが、骨がこわされた歯周病になりますと、完全にもとにもどすことは難しいです。

予防は、ブラッシングです。
骨やひずめ、デンタルボーンでは、歯周病は予防できません。ブタ耳、ひずめなどの硬いものは、臼歯が折れたり(欠ける)することもありますので、やめたほうがよいでしょう。テニスボールの毛や付着しているジャリが歯の間にはいりこんで、歯を削ることもあります。
ガーゼや指サックだけでは、歯の表面をマッサージするだけですので、歯周ポケットに届きません。
歯石をとるというヒルズのT/Dも、歯周ポケットに届きません。
デンタルのおもちゃは、洗っていないと、非衛生的な場合もあります。



予防の王道は、ブラッシングです。(わたしも、耳が痛いですが、、ついつい、犬猫のブラッシングはさぼってしまいますね)