ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

犬猫さんの糖尿病パート2

人間の糖尿病ですと、Ⅰ型、Ⅱ型、2次性糖尿病、妊娠糖尿病があるそうです。動物は、人間の糖尿病とは違うところがあります。動物の分類も、1、2型という分類やら、インスリン依存性、非依存性という分類方法もあるようで、ややこしいです。
犬には、人と同じようなⅠ型、2型糖尿病がないといわれています。ほとんどが、糖尿病以外に原因のある、二次性の続発性糖尿病が多いということです。

1型糖尿病
1型糖尿病は、膵臓インスリンをだすところがリンパ球性の炎症(自己免疫性)などで、インスリンがつくれなくなることが原因です。若い人に多く、肥満と関係なく、おこるそうです。牛にはありますが、犬にはなく、ネコちゃんもまれです。
犬の場合は、炎症をおこさずに、インスリンをつくる膵臓のβ細胞が脱落するために糖尿病になるといわれていますので、このタイプではないということです(つまり、原因不明ーー特発性の糖尿病)。
こうなったら、インスリン治療しか選択肢はありません。犬の場合は、血糖を下げる薬はきかないので、必ずインスリン治療が必要になるというわけです


②Ⅱ型糖尿病
 ネコ、サルにはありますが、犬にはないようです(ちょっと、ここは、いろんな本があるので、??ですが、最近のセミナーで、そういわれていました)。
 ヒトですと、中年以降に、肥満や生活習慣、家族性などで、インスリンが相対的に足りなくなるタイプです。ひとごとではなくて、メタボなわたしも、このタイプになりそうで、あせっていますが、、
 脂肪は、インスリンをたくさん消費するので、脂肪が多くなりますと、インスリンが相対的に足りなくなるというわけです。で、インスリンをつくるときに、ゴミ(アミリン)がでるのですが、そのゴミが、膵臓に沈着して(アミロイド沈着)します。すると、膵臓インスリンをつくる能力がおちてしまい、相対的にインスリンが足りなかったのが、だんだん、インスリンをつくる力もおちて、さらに枯渇してしまうという悪循環になります。こうなると、インスリンを外から補充してあげないといけなくなるわけです。

 肥満した猫(去勢オスに多い)さんにこのタイプが多いです。

③ 二次性糖尿病
 膵炎(ネコさんに多い)、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進)、薬物(ステロイドなど)、腫瘍が原因で、糖尿病になるタイプです。この場合は、原因の治療をしないと、インスリン治療だけでは、改善しません。

④妊娠糖尿病、インスリン遺伝子異常による糖尿病は動物にはないといわれています。

⑤犬の発情後期の高血糖があります。発情のあとは、黄体ホルモンが増えるためです。この時期は、子宮の病気になったりと、トラブルが多いので、注意が必要です。黄体のう腫などが原因で糖尿病になることもあり、避妊していない女の子のワンコのほうが、避妊したワンコよりも糖尿病になりやすいということです。
やっぱり、早期避妊が大事のようですね。

Ⅱ型の肥満ネコさんに朗報が、、
インスリン治療を早期にはじめると、膵臓インスリンをつくる細胞は再生するので、膵臓をやすませることにより、自分でインスリンをつくる力がでてくる可能性があるということです。ですから、将来、インスリンをうたなくてすむようになるためには、また、長生きさせるためにも、早期のインスリン治療を開始するメリットがあります。