ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

黄疸の原因

黄疸になると、耳や、口の中、眼が黄色くなります。これは、血液中のビリルビンが増えて、黄色いビリルビン色素が皮膚や粘膜、おなかの中の臓器に沈着した状態です。黄疸がでますと、中枢神経、心臓、肝臓、腎臓、消化器などの各組織の機能障害をおこし、命にかかわる病気です。

黄疸の原因は、、

まず、血液が分解されてできた、ビリルビンの運命をご説明します。


ビリルビンは、赤血球が破壊・処理(脾臓で)されるプロセスのなかでつくられます。

①赤血球がヘモグロビン、鉄、ビリベルジンに分解されます

②ビリベルジンがビリルビン代謝されます。

ビリルビンが、血液中では、アルブミンという蛋白と結合します。(分子量が大きいので、腎臓で排泄されない)

④この蛋白結合したビリルビン(間接ビリルビン)は、肝臓にとりこまれて、グルクロン酸抱合をうけて、蛋白が取り除かれて、水溶性のビリルビン(直接ビリルビン)になります。

⑤肝臓で代謝された、水溶性のビリルビンは、通常血液中に存在せず、胆汁に分泌され、腸管に排泄されます。


つまり、黄疸がでる場合は、この上記のプロセスに障害がおきたときにおこる病気です。

ひとつは、
溶血性黄疸
  血液の中で、大量の赤血球が破壊されて、肝臓で処理できなくなってしまって、血液中にたくさんのビリルビンがあふれてしまい、黄疸がでます。
この原因は、
① 自己免疫性貧血
つまり、身体の中で赤血球が異物を認識されて、どんどんこわわれてしまう免疫の異常です。
② 薬物による溶血、白血病、不適合輸血、
  感染症

肝細胞性黄疸
 肝臓に障害が生じて、正常な肝細胞で処理したビリルビンが障害された肝細胞から血液中に流出したり、
肝臓がダメージをうけているので、血液中の間接ビリルビンをうまく処理できないため、血液中で間接ビリルビンが残ってしまう状態です。

この原因は、慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝、薬物性肝障害

閉塞性黄疸

肝臓で代謝されたビリルビンは、胆汁と一緒に腸管に排泄されるのですが、この胆汁が流れる通路の胆管がつまってしまって、胆汁の通過障害(つまり、道路が事故で閉鎖されたようなもんです)がおきて、ビリルビンが、あふれて、血液中に逆流してしまう状態です。

この原因は、急性肝炎、薬物性肝障害、胆石症、肝癌、胆管炎、胆道系の感染、寄生虫など