ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

本当はこわいネコノミと猫ひっかき病

暑い季節は、ノミの被害にあいやすくなります。
ノミのライフサイクルは、2,3週間です。動物に寄生して、1−2日で産卵して、孵化して、幼虫がカーペトや家具の下などに滑り込んで、さなぎになって、そして成虫になります。卵は0.5mmの大きさですから、眼のよい人は肉眼でみえます。かくして、1匹のノミを犬猫さんがお外からつけて御帰宅すると、それが家の中で大繁殖します。成虫は、3カ月間生きるといわれています。1日で20-50個、一生で2000個以上を産卵します。つまり、5匹のノミをみつけたら、そのまわりに95匹のノミがいるということになります。ノミは27度くらいが一番育ちやすく、低温で死滅しますが、家の中は暖かいので、越冬します。ノミは吸血し、しかも唾液にはアレルゲンとなる抗凝固物質が含まれ、これが体内にはいります。ノミにさされますと、痒いですし、しかも、ノミアレルギー性皮膚炎を引き起こし、何度も刺されて、一度アレルギーとなると、ノミがいなくなっても、全身に皮膚炎がいつまでも続くことになったりします。ノミは条虫という寄生虫、猫ひっかき病を媒介します。(ネコノミは人も犬も吸血します)
猫ひっかき病ですが、この発症ルートは、ノミが猫さんを吸血すると、猫の血液中の細菌(バルトネラ・ヘンセレ)がノミにはいり、ノミ糞がでて、それが猫の爪につくので、その爪でひっかかられると、それで傷口がはれたり、化膿したり、リンパ節がはれたりします。健康な人でしたら自然治癒しますが、免疫力の弱い高齢者などは重篤な症状をだすことがあります。
猫ちゃんのこの細菌の陽性率は8.4%といわれています。室外飼育・ノミ寄生の猫ちゃんに猫ひっかき病は多いといわれています。