ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

レプトスピラ症

犬のワクチンには、いろいろな種類のワクチンがあります。子犬用の2種のコアワクチン、5種、あとは、コロナウイルスがはいっている6種、レプトスピラのはいっている、7種、8種、9種の多価ワクチンです。当院では、5種ワクチンをおすすめしています。理由は、コロナウイルスは生後すぐの子犬のみかかり、むしろ、ワクチンアレルギーの原因になるので、コロナウイルスがはいっていないワクチンをおすすめしています。さて、レプトスピラという病気ですが、これは人を含むすべての哺乳類に感染を起こす、人畜共通伝染病です。ネズミは感染しても、病気にならず、腎臓で細菌(スピロヘータ類)が増殖するので、ネズミの尿が感染源となります。この病気にかかりますと、発熱、血尿、貧血、黄疸などの肝不全や急性腎不全と肺水腫になり、重症例は急死します。診断は、血液、尿からの細菌検査や抗体検査です。治療は、ペニシリンなどの抗生剤の投与や腎不全のための入院による点滴治療などです。レプトスピラの常在地域は、水田、池、湿地、沼地、小川といわれています。(細菌が湿った、低温の環境に強いため)レプトスピラは、鹿児島などの南九州に比較的多いのですが、東京都内のドブネズミの48%で保菌していたというデータもあります。レプトスピラの血清型は6種類あるので、7種や8種のワクチンを接種しても、完全なワクチン予防にはなりません。ワクチンの効果は半年から1年といわれています。また、レプトスピラは、ワクチンアレルギー(特にダックス)の原因になりやすいので、どこまで予防するのか、難しいです。まずは沼地や用水路、田んぼなどで犬さんを遊ばせない、たまり水を飲ませないなどの注意が必要です。