ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

異常呼吸音

異常な呼吸音というのがあります
ややこしいので、覚えにくいのですが、、、
しかも、いろんな音があわさってしまっていたりしますので、異常な呼吸音で、すぐに単純明快にわかるというわけではありません。

1)スースー(高調スターター)
 高い音でスースーいっている

 鼻の穴をみてください。
 正常な犬の鼻の穴はコンマ型 ,で鼻の穴は広がっています

 でも、鼻の穴が狭くなっている犬の鼻の孔はL字型になっています。

 つまり、鼻の穴が狭くなっているので、鼻の空気の通りがわるくなって、スースーといった音がでます。

犬は、基本的には鼻で呼吸します。寝ているときは口をとじて寝ます。
鼻から呼吸ができないときに、口をあけます。

息をすうときに、スースーと高い音が聞こえたら、鼻腔に病変がある可能性があります。 鼻から鼻の奥(鼻腔から鼻咽頭)が狭くなっている(閉塞性)病気の可能性があります。

原因
  鼻の中の腫瘍、鼻の咽頭狭窄、
 パグやフレンチといった短頭種気道症候群
 慢性特発性鼻炎
 リンパ形質細胞性鼻炎(ダックス多い)
 鼻腔内異物(草の実など、なにかへんなもの)


2)ズーズー、ブーブー(低調スターター)

  寝ているときにブーブー、いびきをかいていたら、
  軟口蓋が長い可能性があります

 パグやフレンチといった短頭種気道症候群
 軟口蓋過長
 咽頭腫瘍
 咽頭膿瘍
 咽頭粘液嚢腫
 肥満

3)ガーガー、ヒーヒー(ストライダー)

 喉頭の麻痺です。
 
 咽頭の軟部組織が、咽頭にくっついているために起こります。(息をする通り道がふさがっているので、かなり苦しい)

 ギャギングといって、ゲーゲーします。白い粘っとしたものをはきますが、胃液ではなくて、咽頭液です。

喉頭麻痺になると、息を吸うときに喉の入り口がしまってしまって
正常と逆の動きになり
(正常な場合)

そして


進行すると、
息を吸えなくなって、呼吸ができなくなってしまうのです。
 
反転咽頭小嚢、軟口蓋過長、短頭種気道症候群
口蓋扁桃腫大、咽頭粘液嚢腫

 高調ストライダーで、
 ヒイー
 キー
  非常に高い音です。こうなると、

 重度の咽頭麻痺(突然死の可能性あり、ラブに多い)
 咽頭虚脱
 咽頭腫瘍
 上部気道の腫瘍
 
いずれも、命にかかわります。

4)ズー、スー

  軟口蓋過長で、のどがふさがってしまうので、
 息をすうときに、低調スターターの「ズー」
  
  で、鼻が狭くなっているので、息をはくときに
 「スー」という高調スターター

いろんな音があわさっておきます。わかりにくいですよね

5)ブヒブヒ
 ガチョウ様 咳もします

   気管虚脱
  
6)喘息みたいに、口を開けて、ヒューヒュー
  舌の色が悪く、声がかれているような音
   
   気管支拡張症

7)息をはくときに、ヒューッと高い音がでる  
  
つまり、努力しないと、取り込んだ空気を、肺から外にだせないということで、

 慢性閉塞性肺疾患ということになります。

慢性気管支炎
肺気腫
慢性呼吸不全
安静時なのに、努力して呼吸している
気管内腫瘍
気管内異物

咳をしていないから、、肺は大丈夫、とはいちがいにいえません。呼吸も注意してあげましょう。