肝臓の薬
フイラリアの抗原検査のときに、ついでにする、生化学検査
そこで、肝臓の数値は悪いですねーーーっていわれることがあるかと思います。
肝臓の細胞の中にある酵素です。この数値が高くなるということは、肝臓の細胞が壊れていますという指標になります。
ALTは、AST(GOT)よりも、肝臓の細胞に最も多く含まれている酵素です。ASTは、肝臓の細胞のほかに、心筋や骨格筋にも含まれるため、肝臓特異性は、ALTのほうが高いのです。
2)ALP,GGTの上昇
肝臓の細胞の毛細血管をつくっている細胞膜の上にあるものなので、これが上昇するということは、
肝臓の中、あるいは胆管(胆汁を排泄する管)で胆汁がうっ滞していることを示しています
ただ、ALPはほかのことでも(甲状腺機能低下症など)上昇するので、ALPだけが高い場合の、肝臓の病気という特異度は51%
GGTは、感度が低いですが、特異度が高いので、肝臓の病気の可能性は80%
ALPとGGTどちらも上昇していれば、胆汁のうっ滞の可能性(特異度)は90%といわれています。
3)治療
肝臓の数値が悪いとなると、
確定診断には、全身麻酔のCTや肝臓の生検となってしまうので、
まずは、肝臓の薬をのみましょうーーというのが
最初の一歩です。
考えらえる原因は
①ALPとGGTが上昇している
胆汁うったい
腫瘍
良性結節性過形成
ある種の薬剤の投薬
Mシュナやシェルテイーなど、犬種による特発性疾患
②ALTとASTの上昇
循環障害(心臓が悪い)
肝毒性
感染症
肝炎
腫瘍
③ALP,GGT,ALT,AST 全部の上昇
肝毒性か、併発性胆汁うったい
肝臓の細胞の障害や壊死
4)治療薬
肝臓の酵素が正常値の2倍以上高い
肝胆道系の病気の臨床症状がある(水をよく飲む、よく吐く、便がゆるい、元気がない、食欲不振など)
肝胆道系の機能障害がある(アルブミンが低い、低血糖、低コレステロール、アンモニアや胆汁酸が高いなど)
こういう場合は、精密検査にすすむか
治療薬を飲んだほうがいいですね
・グリチロン
・抗酸化剤(Sアデノシルメチオニン、シルマリン、Nアセチルシステインなどのサプリ)
・肝臓加水分解物(プロヘパール)
・肝不全治療薬のアミノレバン、リーバクト(粉薬、アミノ酸製剤)
・利胆剤(ウルソ)