ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

シニアになたら、シニア用のフード?

シニア(7.8歳以上)
になったら、
シニアフードに切り替えたほうがいい?


わたしは、単純にそういうことではないと思います。
今食べているフードで健康が維持できているのであれば、
あえて、いきなり変更する必要はないですが、

たとえば
体重がふえてきた
関節が弱ってきた
心臓が悪くなってきた
肝臓が悪い
胃腸が弱っている
皮膚のトラブル
腎臓が悪くなってきた

そういう健康チェックをして、そのうえで、それぞれに応じたフードをチョイスされたほうがいいと思います。


①体重管理
 犬は、8歳以上になると、6歳未満よりも必要なエネルギー要求量が20%少ないというデータがあります。ということで、太ってきたら、カロリー制限をするか、代謝をあげるL
カルニチンなどが配合されているフードがいいですね
猫は、シニアになると、犬とちがって、やせてきます。
タンパクや脂肪の消化能力が低下するためです。ですので、
ダイエットというよりは、適正体重を維持できるフードがいいでしょう

②タンパク質
シニアになると、筋肉量がへるので、筋肉の原料となる消化性の良いタンパク質をあげましょう。
腎臓の保護のために、シニア猫はタンパク質を制限したほうがいいと考えられていましたが、それは、間違っています。腎臓の保護のためにはリンを制限したほうがいいですね。
消化の悪いタンパク質は、結腸のタンパク質分解細菌叢(いわゆる悪玉菌)を増加させ、軟便や糞便臭を増加させます。
タンパク質の消化率を考えたフードがいいです。
ということで、
タンパク質はお金がかかりますので、
シニアになったら、若いときは大丈夫でも、安かろう悪かろうではなくて、プレミアムフードを吟味してあげてください。

③リン
 リンの制限が腎臓病の進行を抑えるといわれています、高齢猫のリンは制限したほうがいいです。とくに、総合栄養食でない猫缶はリンが多いです

④ナトリウム
 人では取りすぎに注意といういわれますが、
犬や猫では、健康であれば、余剰分は尿に排泄されますので、昔ほど、神経質にならなくてもいいのです。
でも、心臓の悪い犬猫さんは、適正な量にしたほうがいいですね

⑤関節が弱ってきたら
 緑イ貝やコンドロイチン、グルコサミン、抗酸化物質、EPA/DH
Aなどが添加された、プレミアムフードがおすすめです。

⑥心臓が悪い
 厳しいナトリウムや体重制限は必要ありません。各ステージにあわせた、ナトリウム調整と栄養不足や栄養過多をおこさないように最適なカロリー補給をしてあげてください
心臓の病気が進行しますと、やせていきます(心臓性悪液質)筋肉のアミノ酸をエネルギーにしてしまうので、筋肉はどんどん、落ちていき、代謝や免疫、生存期間に悪影響を与えるといわれています。
マグネシウムは、炭水化物や脂肪代謝、タンパク質合成、心筋収縮性などの酵素反応に必要な栄養素です。マグネシウムが少ないフードは、不整脈の危険性を高め、心臓の収縮力を低下させます。
タウリンは、拡張型心筋症の予防になるといわれています、