ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

犬の咳

よくくしゃみをする(鼻水はでていない)、

実は咳だったということがあります。
吐きそうで、吐かないような
かっ
というのは、
咳なのです。

シニアになると、犬は心臓が悪くなりやすいです
咳の原因は

僧房弁閉鎖不全症で
左の心臓が大きくなって
それが
気道を圧迫し
咳がでます。

この病気が進行しますと

①運動不耐性になります
悪化しますと、大動脈に流れる血液の量が不足します(心拍出量の低下)。そうすると、循環不全と末梢の血液不足のため、散歩しても歩かなくなったり、元気がなくなったりします。

②息切れします
 暑くなったり、走ったりすると、苦しそうになります

③失神
僧房弁閉鎖不全症のみでは失神がみられることはほとんどないといわれています。
肺高血圧症など、ほかの原因の合併が考えられます。肺高血圧症になると、肺でのガス交換が不足するため酸素不足になるからです。
てんかんとの鑑別が必要ですが
てんかんによる失神ですと、
 
心臓性失神
     発作の後の回復が早い
     発作の後の空腹や飲水がふえることはない
     発作でないときにも不整脈がある
     失神しているときは、体が弛緩している

てんかん発作の失神
     発作の後の回復がおそい(よだれがでたり、前兆がある)
     発作の後の空腹や飲水がふえる
     発作でないときには不整脈ない
     失神しているときは、硬直する 

④心雑音の音がおおきくなる
  いつも、ドキドキしている感じ

心臓が悪いからダイエットしないといけない、、ということはありません。
心臓が悪いと食欲もおちますし、どんどん消耗して、痩せていきます(悪液質)
アメリカ獣医内科学会では、「僧房弁閉鎖不全症では適切に栄養、とくにタンパク質を摂取し、食欲不振の原因を排除することが推奨されています」
ということで、
体重を落とさないように、食欲を維持していくことが大事なのです。 

犬は、コンコンと、こんな風に咳はしません、