ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

慢性腎不全の原因

加齢とともに腎臓の機能が弱ってくる

猫ちゃんに多いですが、もちろん、犬も慢性腎不全になります。





原因は

よく聞かれますが

原因を本当に追及するには、開腹して腎臓の組織検査をしないとわかりません。
そこまで検査を希望する方はあまりいらっしゃらないでしょう(全身麻酔のリスクありますし)

腎臓が障害をうけて、機能しなくなるのですが、
腎臓には、
糸球体と尿細管という二種類のパーツがあります。

血液を選択的に濾過して原尿をつくる

 糸球体と

糸球体でつくられた尿を運んで、必要なミネラルや栄養素を再吸収したり、不要なものを分泌して、
原尿の中の成分を調整して体に不要な成分を排泄してくれる
  尿細管
腎不全とは
 これらの糸球体と尿細管のどちらかが障害をうけ(両方ってこともありますが)
障害されている部位によって
糸球体障害か、尿細管障害に分類されます(単発、あるいは併発)

①糸球体の障害
  通常、アルブミンなどの大きな分子のたんぱく質は濾過されないのですが、糸球体がこわれると、タンパクが尿中に漏れ出します。
腎不全が進行しますと、糸球体内の血流量が減って、毛細血管が肥厚し(血圧があがる)、濾過量の低下によって
作られる尿が減少していきます。

糸球体が障害をうける原因には
・糸球体への免疫複合体の沈着
・増殖性糸球体腎炎
・糸球体アミロイド症
 など
   (組織検査しないと、わかりません)

オシッコにタンパクがでているようになったら、
糸球体が障害を受けていることが考えられます! 
 

② 尿細管の障害
   代表的な病気にバセンジーに多い、ファンコーニ症候群があります。

 ・ファンコーニ症候群とは、腎近位尿細管の再吸収不全症候群です。
 尿中に電解質アミノ酸を測定することにより診断されます。
糖尿でないのにオシッコに糖がでていたり(腎性尿糖)高リン尿症、アシドーシス(血液ガスの測定)

・尿細管の炎症の原因
 
 レプトスピラなどの感染
 非ステロイド消炎剤やアミノグリコシド系抗生物質などの腎毒性物質で炎症がおきることもあります。
 尿細管に障害をおこす重金属(鉛、水銀、カドミウム、ウラニウムなど)
 ゲンタマイシン、セファロスポリン、期限きれテトラサイクリン、シスプラチン、ストレプトゾトシンなどの抗生物質の副作用