ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

療法食の落とし穴

巷に売られている療法食

腎臓が悪いから腎臓食
肝臓が悪いから肝臓食
オシッコトラブルがあるからPHケア食

というチョイスで、果たして、いいのか、、、


結論から申し上げますと
その子の状態でケースバイケースです
療法食が逆に、症状を悪化することもあります

というのは、

たとえば、

犬の腎臓サポートは、
タンパクをかなり制限しています
タンパクを制限したら、なにでカロリーをとるかといいますと、脂肪ですよね、

腎臓サポートのタンパク含有量は16グラム、脂肪18グラム(100グラム中)

肝臓サポートはタンパク16.4グラム 脂肪16.4グラム

一般食セレクトスキンケアは
たんぱく 22.7グラム 脂肪14.5グラム

シニア食の心臓・関節サポートだと
たんぱく26.1グラム 脂肪14.6グラム

ということで、

肝臓や腎臓の療法食はタンパクをかなり制限しているのです。その分、脂肪が多くなる

タンパクはBUNという腎臓に負担をかける窒素化合物のもとになるから、制限しているのですが、

タンパクがオシッコからでている状態だと、
タンパク不足になってしまって、
栄養不良になってしまいますよね。
腎臓病の中期でリン制限が必要なワンコが食べる食事で
シニアの一般食ではありません。

肝臓サポートもしかり
アンモニア血症になるくらい肝臓が悪いのならこのフードがおすすめですが、軽度の肝臓疾患で、しかも脂肪の代謝が悪くてコレステロールの高い子には
おすすめではないのです。
脂肪が肝臓に沈着して、逆に肝臓の酵素が上がるケースもあります。

PHケアは、塩分が多いので、
心臓の悪い子にはおすすめできませんし、、



療法食をチョイスされる場合は、一長一短ありますから
血液検査をして
その子に本当にあっているのかどうか、
ぜひ、ご相談ください。


いつまでも、元気でいてほしいから、、
お食事も選ばないと、、