ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

口の中の腫瘍(犬)

犬の口の中の腫瘍で最も多いのは

悪性黒色腫(必ずしも、色は黒くない)


 遠隔転移率が高く、肉眼で腫瘍に気づく前にすでに細胞レベルで転移がおこっている場合が多いといわれています。そのため、飼い主さんが、口の中の腫瘍に気づいたときは、すでに内臓に転移している可能性が高いです。
内臓に転移している場合は、口の中の腫瘍を外科手術で摘出しても、最終的には遠隔転移で、死亡するケースが多いのです。口の中のしこりが目にみえる前に、体に転移しているのでは、もう、どうしようもないですよね。。
その子の運命としか、いいようのない病気です。


次に多いのは扁平上皮癌

  リンパ節や遠隔転移の頻度が低いので、口の中の腫瘍を、完全に摘出できれば、長期生存が可能なケースが多いといわれています。
放射線治療も可能といわれています。

この腫瘍は舌にできることもあり、舌をまるごととるわけにはいかなくて(舌を全部とっても、なんとか飲食できる子もいるそうですが)
、3分の1までであれば、摘出しても機能的には問題がないといわれています。


次は線維肉腫

 これも、偏平上皮癌と同様に、リンパ節や遠隔転移の頻度が低いので、口の中の腫瘍を、完全に摘出できれば、長期生存が可能なケースが多いといわれています。
偏平上皮癌と比較して放射線治療は、あまり有効でないといわれています。ただ、浸潤性が強く、とりきったと思っても、再発率が高いといわれています。

歯の腫瘍には、
棘細胞性エナメル上皮腫というのがありまして、一応、良性腫瘍ですが、大きくなると飲食できなくなりますので、
きちんと切除したほうがいいですね。
早く発見すれば、それだけ、切除するところが小さくてすみますね。


ということで、
歯磨きをしてあげることは

口臭をへらす
歯周病にならないように予防する

以外にも

口の中の腫瘍に早く気づいてあげられるって
いうメリットもありますね


なかなか、威厳がありますね、、