ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

膀胱炎になったら、抗生剤を飲まないといけない理由は

犬の下部尿路疾患は、
膀胱炎40%と、尿失禁24%、尿石症18%、その他
というデータがあります(アメリカのデータ2000)

で、膀胱炎の原因の大半は尿路感染です。

そして、

尿石症の原因の8割は、ストルバイトかシュウ酸カルシウム結石なのですが、

ストルバイト結石は尿路感染と関連があるといわれています。実に70%が尿路感染症を伴っているというデータがあります。

ストルバイト結石は、圧倒的に女のこのワンコさんに多いのです。理由は、尿道が太くみじかいので、細菌が外からはいりやすく、尿路感染がおきやすいからです。

そして、

膀胱に細菌感染がおきると、

膀胱炎の原因菌は、ウレアーゼ産生菌のブドウ球菌なのですが、

これが、尿素をアンモニアにかえ、水素イオンをへらすので、尿がアルカリになり、ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)の原因をつくってしまうからです。

このため、
ストルバイト結石ができたら、

ストルバイトを溶解するお食事療法

抗生剤を飲まないといけないのです。
そして、
結石が完全に消失しても、引き続き3週間は、抗菌剤の服用が推奨されています。
お食事療法だけで、抗生剤を服用していないと、尿が酸性化されず、石が解けない可能性もあります。


庭の石ころみたいなものが、ストルバイト