ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

猫の慢性腎不全と食事

猫ちゃんの慢性腎不全は進行する病気です。

そのためには、いろいろな努力をして
病気を戦わないといけません

まずは、リン吸着剤
(リンが高くなると、石灰化という現象がおきて、さらに腎臓の機能が悪くなります)

そして、

療法食です

猫ちゃんの場合は、
ステージを分けると

ステージ1  クレチニン値が1.6以下

ステージ2
        残存腎機能33%
       クレチニン値が1.6-2.8

ステージ3   残存腎機能25%
       クレチニン値が2.9-5.0

ステージ4    残存腎機能10%以下
       クレチニン値が5以上


ステージ2の段階から腎臓療法食を与えたほうが、食事療法の効果があるといわれています(犬はステージ3から)


腎臓用の療法食は、ほかのフードとなにが違うのか

まずは、。タンパクの含有量が少ない(ただ、少ないだけでなく、体に必要な良質なタンパク質に厳選している)

アルカリ化剤(腎不全になると、体が酸性に傾くアシドーシスになるから)

リン含有量の制限

不飽和脂肪酸を含む

 オメガ3-多価不飽和脂肪酸(EPA,DHA)は腎不全の死亡率を下げるといわれています。
ただ、はいっていればいいというわけではなく、
EPAとDHAの含有量や濃度、比率が大事です。

  体重が5キロ未満の場合は1日あたりの総量0.5g
  体重 5-10キロ  1g
  体重 10-20㎏   2g
  体重20㎏以上 3g
 
  天然の魚油からエキスを抽出したもので臨床効果があるといわていますので、
ほかのものですと、エピデンスがないので、
魚油由来のオメガ3-多価不飽和脂肪酸を82%、もしくは90%と含有率の高い製品を選ばないといけません。

そして、EPAとDHAの比率は7:1がよいといわれています。

ということで、

ただ、皮膚や腎臓を考えていますって書いてあるだけの商業的な商品につられないように、
ちゃんと、エビエンスに基づいた療法食をお選びください