ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

肛門嚢のがんってあるんです

おしりにある、におい袋の肛門腺
これがたまると、むずむずして、
やたらとおしりを気にする、急に走り出すというしぐさがみられます。
犬も猫もありものです。
むずむずしていたら、
ムズ痒いし、肛門腺がたまりすぎると、破裂して、
膿がでたりします。

そうなる、前に
肛門腺をしぼってあげましょう
ご自分で絞れない場合は、当院でも肛門腺しぼりだけでも承っておりますので、お気軽にいらしてください

で、
肛門腺のがん(肛門嚢腺がん)というのもあるのです。
初期は無症状なのですが、

だんたん、元気食欲が低下する
血液検査すると、高カルシウム血症
嘔吐、下痢
肛門嚢の中に痛みを伴わない腫瘤がある
リンパ節に転移(腰下リンパ節)すると、直腸が狭くなってしまい、排便が困難になってくる
骨に転移すると、痛みがでてくる

という病気です。

1)診断は、

中年以上のメスの犬に多い病気
片側だけ肛門嚢の中に腫瘤がある
血液検査で高カルシウム血症
レントゲンや直検(直腸に手をいれて確かめる)腰下リンパ節がはれている
細胞診で、上皮性の異形細胞がみられる

2)治療
抗がん剤治療
外科的に摘出
放射線治療

3)予後
  初期の発見で完全に摘出すれば、予後はいいのですが、高カルシウム血症になり、このコントロールが難しく、リンパ節や骨に転移している場合は、予後は悪い
肺や肝臓への転移はまれ
 
なかなか、早期発見が難しくやっかいです。


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