ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

猫の便秘症

猫ちゃんは、イヌよりも便秘になりやすいです。
犬は、よく下痢しますが、便秘にはあまりなりません。
逆に猫はあまり下痢しませんが、便秘になることが多いです。

猫ちゃんの結腸の平均的長さは30センチです。

この結腸で、水分と電解質が吸収され、便を貯蔵し、定期的に排泄されるというわけです。食事をとってから、おおむね12-24時間で便が排泄されます。

結腸内には、腸内細菌がいて、糞便1g中の微生物数は10の10乗というすごい量で、主な細菌は嫌気性の細菌です。
これらの細菌は、摂取した炭水化物や食物繊維を発酵することで、短鎖脂肪酸、水、水素、メタン、二酸化炭素の賛成を促進します。
結腸の細菌は、糞便内に排泄されるアンモニウムイオンの濃度も増加させます。

だから、

肝臓がわるくなって、解毒能力が落ちているところに、
ひどい便秘になると、血液中のアンモニアの濃度があがって、肝性脳症という生命の危険にかかわる病気なります。
ということで、
たかが、便秘、されど、便秘なんですね。。



1)便秘の原因

・肥満、動かない、食物繊維の少ない食事(人間と一緒!!)

・巨大結腸症(結腸が大きくなって、動かなくなる病気)

・脱水、低カリウム血症
 
・食事や水をとらない、嘔吐、衰弱

・骨盤が狭い(交通事故などの外傷)

・自律神経障害

・馬尾症候群で、骨盤のあたりの神経が痛い

・汚れたトイレで、便意をがまんしすぎる

・ストレス、居住環境の変化(ペットホテルなど)

甲状腺機能低下症(まれ)

・薬剤の影響(利尿剤、カルシウム阻害剤、リン酸アルミニウム、硫酸バリウムオピオイド、抗コリン作動薬など)

・毛玉、異物


2)症状
・嘔吐、脱水、食欲不振

・トイレにいくんだけれど、りきんでも便がでなくて、
粘液や鮮血がでる

・腹痛(沈鬱な表情で、うずくまって、動かない)

・興奮、異常行動

・おなかがふくれる




3)診断
レントゲン、血液検査

4)治療
・食物繊維の多い食事(オオバコ、サイリウム

・トイレをふやす(寒すぎるところにおかない)


・緩下剤(くせになって、きかなくなります)

・浣腸
 よわっている猫ちゃんには、負担が大きいです
 あまり、推奨されません



動かない→肥満→関節に負担→動かない→便秘
ああ、悪循環、、