ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

陰睾

クリスマスやお正月になると、子犬が販売されるのをよくみますが、

そのときに注意しないといけないのは、

性格のよさ
無駄にほえない
首をすくめて、ブルブル震えていない
人なつこくて、温和そう
ガリガリにやせていなくて、まるまるしている
咳やくしゃみをしていない
鼻水をたらしていない
おしりが下痢で汚れていない
デベソになっていない
歩くときに、足をひきずったり、へんにお尻をふっていない

そして、
男の子なら、睾丸がちゃんと2つあるか!ってことが大事ですね

精巣は、胎児のときは、おなかの中にありますが、成長とともに、精巣はおなかから、そけい部へおりてきて、生後1-3か月のころには、左右2つの精巣がそろって、おまたのところにある陰嚢の中に位置するようになります。

ですが、生後半年過ぎても、精巣が陰嚢の中になく、おなかの中や、後ろ足の付け根の上のあたりの下腹部の皮下(そけい部)に精巣が留まってしまった場合、これを潜在精巣といいます(陰睾)

1)なりやすい犬種
 トイやミニチュア種

2)原因
雄犬の精巣でつくられる男性ホルモンの不足や解剖学的異常
遺伝ですね
犬の発生率は2%
猫はまれ


3)症状
成犬になると精巣で精子がつくられますが、精巣が陰嚢の中にあって体温よりも低い温度でないと、精巣は精子を作ることができません。
ということで、おなかに精巣が残ってしまった場合や、体温よりも温度が高いそけい部にある場合は、精子がつくられません。繁殖できないということです。

4)潜在精巣は腫瘍になりやすい
老齢化すると、おなかの中に残っている精巣が腫瘍になりやすいというリスクがあります。
潜在精巣の腫瘍発生率は10-15%です。
セルトリー細胞腫が最も多く、この腫瘍になると、エストロジェンという女性ホルモンをたくさん分泌するため、毛がぬけたり、皮膚の色素沈着、乳頭が大きくなったりします。重度の再生不良性貧血になることもあります。


5)治療は、去勢手術ですが、おなかのなかに精巣が残っている場合は、開腹手術になります。

カタタマのワンコが多いですが、精巣がひとつ陰嚢の中にあれば、繁殖能力がありますが、これは遺伝する疾患ですので、繁殖するのは、おすすめできませんね。

メリー・クリスマス