ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

胃の腫瘍

犬の胃の腫瘍は

大半は、胃腺癌といわれています。

そのほかは、GIST(消化管間葉系腫瘍)で、これは転移することは多くありません。
平滑筋肉腫、リンパ腫

1)症状
嘔吐、体重減少、食欲不振
吐血(20-50%)
よく水を飲む、腹痛、メレナ
貧血
腹水

2)好発犬種
・ ラフ・コリーは胃の腺癌を発生するリスク高い

・ チャウ・チャウは、一般の犬に比べて40倍以上胃の腫瘍を発生するリスクが高い。
この犬種は、中国原産ですが、なんと、非常食の犬だったそうです!!非常食用に飼育されたら、そりゃー、ストレスでガンになるかも??

3)診断
 胃腺癌で、深くクレーター様になり、吐血やメレナの原因となります。内視鏡検査で、バイオプシーで確定

ですが、なんと、

犬にはスキルス胃がんが多いといわれています。

スキルス胃がんとは(ネットの記事抜粋。人間の病気の解説)
通常、がんは粘膜面に発生します。胃がんなら、胃の粘膜に最初の兆候が現れ、発生したがん細胞は、浸潤と言って周りの細胞にしみこむように広がると共に、増殖してかたまりを作ります。この過程で、胃の粘膜から出血したり、胃潰瘍などの症状が出ることがあります。通常は、がん細胞のかたまりは粘膜から隆起する形で出てきますので、胃カメラバリウムの検査での早期発見は可能ですし、内視鏡下胃粘膜切除術など胃カメラによる治療も可能で、治療成績の向上につながっています。

しかし、 スキルス胃がん は粘膜から隆起することなく、粘膜の下を這うように広がっていきます。よって、粘膜が荒れるために出てくる胃炎や胃潰瘍のような症状にも乏しく、初期では自覚症状がほとんどないのが特徴です。よって、発見された時には、胃の粘膜の下で胃全体に広がっていることがしばしばあり、治療成績が良くない原因になっています。


ということで、
内視鏡検査で、表面の粘膜をバイオプシーして
病理検査の結果が、慢性胃炎胃潰瘍といった検査結果がでても、スキルス胃がんの場合は、わからないってことなんです。
うちの犬、よく吐いているけれど、内視鏡検査でガンじゃなくて、安心って思っていても、実は、このスキルス胃がんだたという可能性もなきにしもあらずってことです。
最終的な確定検査は、開腹して、胃の壁そのものを切除して病理検査になってしまいます、、

4)腺癌の治療と予後
粘膜全体に広く浸潤するような胃の腺癌の場合、
治療が難しいです(胃をまるごと、とって、腸と食道をつなぐバイバス手術になってしまいますよね、、)
難しい外科手術をしても、、
生存期間は、だいたい、6週間(長くて10か月)
転移が早く、肺、胃周囲のリンパ節、腹膜、肝臓などに転移します。
漿膜のいたるところに胃の腺癌が広がると、腸間膜や大網(おなかのなか全体を覆っている膜などのこと)に強いスキルス(硬性)反応が生じ、腹水の原因になったりします。
腺癌の場合は、化学療法はそれほど、効果は高くないようです

5)胃腺癌ではないほかの胃の腫瘍

胃腺癌でない、潰瘍性ポリープ状の腫瘤を胃の中につくる、平滑筋肉腫の場合、きちんと切除され、早期発見で転移もなかった場合は、生存期間が長くなるとの報告があります。



実はアンデイくん、よく吐くので、大学病院で内視鏡検査とCT検査を受けてきました。
ここは、藤沢市にある日大の大学病院です。
人間の病院みたいに広いですね!

待ち時間がえらーっく、長いので、海岸へいってみました。
富士山がみえました

辻堂の海岸

(毎朝、こんな浜辺を散歩したいものです)





スカイプ英会話レッスンで、フィリッピンの人と話していて、
わたしが、「ドックフード」といったら、
彼女は「そんな恐ろしい、イヌを食べるのか?」って聞かれました。
そうか、ドックフードって「犬の料理」と思ったようです。
カルチャーショックでした。