ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

ガストリノーマ

ガストリンとは、胃酸の分泌を促すホルモンで、このホルモンをだす細胞が腫瘍化して増殖する病気が、ガストリノーマです。

ガストリンは胃内に摂取された食物(特に蛋白食)の刺激を受けて血中に放出され胃壁細胞に作用して胃酸分泌を促進します。
ガストリノーマは、膵臓実質内の腫瘍として発生する傾向にありますが、時に転移病変として局所リンパ節のみにみられることもあります

1)症状
十二指腸潰瘍
胃潰瘍
まれに食道や空腸にも潰瘍
嘔吐
吐血、メレナ、
膵炎を併発しているときに腹痛あり
食欲不振、体重減少
嗜眠、沈鬱(よく寝て、暗くて元気がない)
水溶性の下痢

2)好発犬種
なし
犬の腫瘍としては、まれ

3)予後
70%が悪性の報告あり
 肝臓やリンパ節への転移
 胃潰瘍の穿孔や敗血症性腹膜炎がない限りレントゲン検査では異常はみつからないです、膵臓の小さな腫瘍ですので、
エコー検査でもみつけにくいといわれています。

4)診断
胃の内視鏡とバイオプシー検査
血液検査(ガストリン濃度の測定)
外部検査になりますが、空腹時のガストリン濃度は正常値では、20-60PG/ml
200-300を超えるとガストリノーマが疑われます

5)治療
手術(診断が確定した時点で多くのガストリノーマは転移しているので)適応は少ない
胃潰瘍が穿孔した場合は緊急手術
オメプラゾールなどのプロトンポンプ阻害剤(胃酸そのものをつくらなくする作用)の内服など



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