ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

アトピー用外用薬タクロリムス

痒いときは、ステロイド外用薬がよくききますが、

ステロイド外用薬
 かゆみ止め
 炎症を抑える
ということで、特に急性に悪化したときに、即効性のあるかゆみ止めです。

ひとくちにステロイドといっても、いろいろな種類がありまして、作用の強さに5段階あります。
strongest
very strong
strong
mild
weak

です、
動物薬の外用薬としてよく用いられているのが、
 very strongのヒドロコルチゾン、
 mildのトリアムシノロ

外用薬のメリット
 全身作用が少ない
(長期間、多量に使いすぎると、皮ふから吸収されたステロイドによって全身性の副作用がでることもあります)

外用薬のデメリット
 長期間ズーット使い続けると、皮膚が委縮、赤くなる(紅斑ーー毛細血管拡張)、紫斑、脱毛がおこることがあります。使用を中止すれば、数週間から数か月で治ります。


②タクロリムス外用薬
ステロイドにかわる、アトピーの塗薬として
タクロリムス外用薬があります。
 ステロイドよりは効き目が遅い(遅行性)なので、急性悪化にはあまりききませんが、ステロイドと同じかゆみ止めの作用があり、ステロイド薬で生じる皮膚が薄くなるといった副作用がありません。
タクロリムスは高分子で、皮膚バリア機能が正常であれば、ほとんど吸収されないため、痒いところだけ限局的に作用します。
ということで、犬アトピー性皮膚炎の慢性期ではステロイド外用薬の代替薬として推奨されています。


外用薬は局所的に作用してくれる、薬をのませるよりも簡単、副作用も少ないということで、使いやすいのですが、
犬さんがなめていしまうという問題があります。
皆が寝る前に塗るのではなく、、
散歩や食事の前に塗布して、塗った後もなめないように監視できる、なめるよりも気をそらすことをしてあげる、ということが大事です。
どうしてもなめてしまう場合は、エリザベスカラーなどを用いてなめれないようにするしかありません。



ルリちゃん、カゴから脱走、見事な飛びっぷりを披露


(頭がよいので、カゴのドアをあけます)


(ちょっと、ドヤ顔です)