ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

心臓の病気と呼吸数

犬が年を取ると、考えないといけないのが、心臓の病気です(猫は腎臓病)

犬の心臓の病気はほとんどが、僧房弁閉鎖不全という、左心房にある心臓の弁がうまく閉まらなくなって、血液が逆流してしまう心臓の病気です。

この病気は進行します。


そして、最終的には、肺水腫という肺の病気も起こします(心臓が悪くなると全身循環が悪くなるからです)

先日、日本獣医生命科学大学の循環器・腎臓科の竹村教授のセミナーにいってまいりました。

そこでの話を少しご紹介しますと、

肺水腫になると咳がでる、、、、というわけではなくて、

咳がでるのは、心臓が大きくなって、心臓のそばをとおる気道を圧迫するから、咳がでるわけです。

肺水腫になると、

呼吸が苦しくなり、

自宅での安静時での呼吸数が1分間40回以上を超えると、
呼吸困難をおこしている(運動後や食後ではなくて、本当に寝ているくらい静かな状態での回数です)、

肺水腫になっている可能性があります(院内での緊張した状態では、呼吸数が増えますので、自宅での回数が目安です)

咳は、肺や肺胞での炎症でおこるよりも、先に、喉頭気管支の炎症でおこるものです。
咳イコール肺水腫というわけではないので、むしろ自宅での呼吸をよく観察してあげることが大事ですね。

呼吸数(安静時)
犬の呼吸の標準値
・小型犬 20〜30回/分
・大型犬 15回/分


(安静時ってこんな感じです)